グリニャール反応に使う THF に、水が 100 ppm 残っていたとします。10 mL の THF(密度 0.883 g/mL として約 8.8 g)に含まれる水は 0.9 mg 弱で、目で見ても分からず、乾かして減った重さとして捉えるのも難しい量です。けれども物質量にすると約 0.05 mmol で、1 mmol のグリニャール試薬なら約5%を壊せる量です(計算練習用の仮の数値)。この「目に見えない水」を数える方法がカールフィッシャー法で、そのための装置がカールフィッシャー水分計です。

この記事の答え
カールフィッシャー法は、アルコールと塩基の中で水がヨウ素・二酸化硫黄と1対1で反応することを使い、消費したヨウ素の量から水分を求める滴定法です。容量法は滴下量、電量法は電気量でヨウ素を量ります。

カールフィッシャー法は、試薬の名前や装置の操作手順として覚えると、すぐにわからなくなります。けれども「なぜ水とヨウ素が1対1になるのか」「なぜアルコールが要るのか」「なぜ余ったヨウ素で終点がわかるのか」を順に押さえると、容量法と電量法の違いも、ケトンで値が狂う理由も、一本の筋で説明できます。この記事では、日本薬局方と JIS の規定を軸に、その理屈を追います。

この記事で学ぶこと
・カールフィッシャー反応の2段階と、水とヨウ素が1対1になる理由(Fischer 1935 の原型との違い)
・容量法と電量法の違い(ヨウ素の入れ方・計算・向いている水の量)
・双白金電極で終点がわかる理由と、力価(水分当量)の標定
・ケトン・アルデヒドや酸化還元性物質で値が狂う理由と対策
・乾燥減量との違いと、有機合成での使いどころ

カールフィッシャー法とは——水だけを数える滴定

カールフィッシャー法(カールフィッシャー滴定)は、ドイツの化学者 Karl Fischer が1935年に発表した水分の定量法です(Angew. Chem. 1935, 48, 394)。日本薬局方では一般試験法〈2.48〉「水分測定法(カールフィッシャー法)」、JIS では JIS K 0113「電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則」に方法が定められています。

この方法の要点は、水がなければ進まない酸化還元反応を使うことです。ヨウ素(I2)は、アルコールと塩基の中で、二酸化硫黄(SO2)から生じた亜硫酸の段階の硫黄を酸化します。このとき酸素原子が1個必要になり、式の上ではそれを水が出します。だから、消費されたヨウ素の量を量れば、水の量がわかります。

大事なのは、水そのものと反応する点です。後で比べる乾燥減量(加熱して減った重さ)は、水だけでなく揮発する溶媒なども一緒に数えてしまいます。カールフィッシャー法は、副反応が起こらない限り、水だけを数えます。また、結晶表面の水だけでなく、試料を溶かせば結晶の中の水(結晶水)も測れます(Metrohm のモノグラフ)。

カールフィッシャー反応——何と何が1対1で反応するのか

現在の理解では、メタノール中のカールフィッシャー反応は2段階で書かれます(JIS K 0113 の式(1)、Metrohm と HYDRANAL の技術資料)。塩基を RN(ピリジンやイミダゾールなど)と書くと、図1のようになります。

カールフィッシャー反応の2段階。①メタノールと二酸化硫黄と塩基RNからメチル亜硫酸イオンができる。②水があるとヨウ素がメチル亜硫酸イオンをメチル硫酸イオンへ酸化し、硫黄の酸化数は+4から+6、ヨウ素は0から−1になる。水とヨウ素は1対1で反応する

① アルコールが SO2 をとらえる

1段目では、メタノールと二酸化硫黄が反応して亜硫酸のモノメチルエステルになり、それを塩基が中和してメチル亜硫酸イオン(CH3OSO2−)の塩ができます。

CH3OH + SO2 + RN → [RNH]+CH3OSO2−

この段階に水は関わりません。試薬の中で、あらかじめ「水と反応する準備ができた硫黄」を用意しておく段階です。

② 水があるとき、ヨウ素が硫黄を酸化する

2段目で水が使われます。

H2O + I2 + [RNH]+CH3OSO2− + 2RN → [RNH]+CH3OSO3− + 2[RNH]+I−

酸化数で追うと、硫黄は +4(亜硫酸の段階)から +6(硫酸の段階)へ上がり、2電子を失います。ヨウ素は I2 の 0 から I− の −1 へ下がり、2個で2電子を受け取ります。電子の数がちょうど釣り合うので、I2 1個が硫黄1個を酸化することになります。このとき硫黄に結合した酸素は3個から4個に増えます(メチル基の付いた O を除くと SO2 部分から SO3 部分へ)。増えた O 1個と、生じた2個の H+ の出どころが水です。こうして、H2O 1分子が I2 1分子を消費する関係が決まります(JIS K 0113 は「よう素(I2)と水(H2O)が物質量で1:1で反応する」と規定)。酸化数の数え方は有機化学の酸化数で整理しています。

日本薬局方〈2.48〉は、塩基をピリジンとした場合をまとめて1本の式で書いています。I2 + SO2 + 3C5H5N + CH3OH + H2O → 2(C5H5N+H)I− + (C5H5N+H)−OSO2OCH3 です。上の2段を足し合わせたものと同じで、H2O:I2:SO2:塩基:CH3OH が 1:1:1:3:1 になります。

Fischer の原型と、式が書き換えられてきた理由

この式は最初からこの形だったわけではありません。大堺の解説(Review of Polarography, 2017)と Metrohm のモノグラフによると、反応式の理解は次のように変わってきました。

提案 考え方 H2O:I2
Fischer(1935) 水溶液中で SO2 を定量する Bunsen 反応(SO2 + I2 + 2H2O → H2SO4 + 2HI)を下敷きにし、生じる酸をピリジンが受け取ると考えた。メタノールは溶媒にすぎないとみなした 2:1
Smith・Bryant・Mitchell(1939) 量論比を測り直し、水1個で(仮想的な)ピリジン–SO3 の付加物ができ、それがメタノールと反応してメチル硫酸塩になるとした(H2O:I2:SO2:ピリジン:CH3OH = 1:1:1:3:1) 1:1
Verhoef・Barendrecht(1976–1978) 反応速度の pH 依存性から、反応するのは SO2 そのものではなく、SO2 とメタノールからできるモノメチル亜硫酸イオンだと考えた。ピリジンは反応に直接加わらず、緩衝剤として働く 1:1

Fischer の式とその後の式の違いは、アルコールが反応に加わるかどうかです。メタノールが SO2 をエステルにして受け止めるので、水は「酸素を1個渡す」だけで済み、1:1 になります。逆に、アルコールが反応に加われない条件では、量論が Fischer の想定した 2:1 の側に寄ります。Metrohm のモノグラフは、DMF のような非プロトン性溶媒では H2O:I2 が 2:1 になること、作業液の水が 1 mol/L(18 g/L)を超えると水溶液の Bunsen 反応に近づき I2 1個に水2個が使われることを挙げています。カールフィッシャー試薬にアルコールが入っているのは、溶かすためだけではなく、量論を1:1に固定するためでもあるのです。

ピリジンが緩衝剤にすぎないなら、ほかの適当な塩基に置き換えられます(Metrohm のモノグラフ)。実際、ピリジンのにおいと毒性を避けるため、HYDRANAL のマニュアルによると Scholz らはジエタノールアミン、ついでイミダゾールを塩基とするピリジン不含の試薬を報告しました。日本薬局方〈2.48〉も、水分測定用の塩基としてピリジン・イミダゾール・2-メチルアミノピリジンなどを挙げています。ピリジンとイミダゾールの塩基性の違いはピリジンとピロールの違いの考え方で読めます。

塩基と pH:反応しやすい条件があるのはなぜか

反応する相手がメチル亜硫酸イオンだとすると、溶液が酸性に傾くほどプロトンが付いた形(亜硫酸モノメチルエステル)が増え、イオンの割合が減るので、反応は遅くなるはずです。Verhoef と Barendrecht は、まさにこの pH 依存性から、反応する相手を SO2 ではなくこのイオンだと考えました。Metrohm のモノグラフが紹介する彼らの結果では、反応速度定数の対数は pH 5 までは pH とともに直線的に増え、pH 5.5〜8 ではほぼ一定になります。

ところが、反応では HI とメチル硫酸という酸が生じます。塩基はこれを中和して pH を保つ役目を持ちます。HYDRANAL のマニュアルは、ピリジンは塩基性が低すぎて酸を中和しきれず、そのため従来のピリジン系試薬では終点が緩慢だったと説明しています。一方で pH が高すぎると、副反応でヨウ素がゆっくり消費され、終点に達しなくなります。整理すると、反応速度が一定になる平坦域は pH 5.5〜8(Verhoef ら)、化学量論的に進む実用域は pH 5〜7(HYDRANAL のマニュアル・Metrohm のモノグラフ)です。弱すぎても強すぎても困るので、適度な塩基で弱酸性〜中性付近に保つわけです。pKa で塩基を選ぶ考え方はpKa表の使い方を参照してください。

容量法と電量法の違い

カールフィッシャー法には、ヨウ素の入れ方が違う2つの方法があります。日本薬局方〈2.48〉によれば、容量滴定法は反応に必要なヨウ素を試液に溶かしておき、水と反応して消費されたヨウ素の量を滴定で求める方法、電量滴定法は陽極液中のヨウ化物イオンの電解でヨウ素を発生させ、それに要した電気量から間接的に水分を求める方法です。反応も、余ったヨウ素で終点を知る点も同じです(図2)。

容量滴定法と電量滴定法の装置の比較。容量法はビュレットからヨウ素を含む試薬を滴下し、滴下した体積と力価から水分を求める。電量法はヨウ素発生用電解槽の陽極でヨウ化物イオンからヨウ素をつくり、電気量を10.71で割って水分を求める。どちらも双白金電極で終点を検出する
比べる点 容量滴定法(容量法) 電量滴定法(電量法)
ヨウ素の入れ方 I2 を含む試薬をビュレットで滴下 陽極で 2I− → I2 + 2e− の電解でつくる
測るもの 滴下した体積 V(mL) 電気量 Q(C)= 電流 × 時間
水の量の計算 V × 力価 f(mg/mL) Q ÷ 10.71(C/mg)
標定 力価を水などで標定する(力価は吸湿で変わる) 力価は不要(ファラデーの法則で決まる)。ただし標準による回収の確認は行う
1回に測る水の量(日本薬局方の操作法) 5〜30 mg を含む量の試料 0.2〜5 mg を含む量の試料
試薬 滴定剤(I2 を含む)と、セルに入れる脱水溶媒 陽極液(I−・SO2・塩基・アルコール)と陰極液。隔膜の無い電極では陽極液のみ

容量法:ヨウ素を含む試薬を滴下する

容量法では、滴定フラスコに脱水した溶媒(日本薬局方では主に水分測定用メタノール。試料に応じてクロロホルムやホルムアミドなども使える)を入れ、まず試薬を終点まで滴下してフラスコの中を無水の状態にします。JIS K 0113 は、この前滴定を「滴定溶媒中及び滴定槽中に残存する水分による誤差をなくすため」の操作とし、このときの滴下量は計算に使いません。そのあと試料を手早く入れ、もう一度終点まで滴定します。

容量法は、水の量が多い試料に向き、固体やペースト状の試料もそのままフラスコに入れられます(Metrohm のモノグラフ)。試薬には、反応に要る成分(ヨウ素・SO2・塩基)をすべて1液に含む一液型と、ヨウ素の滴定剤と SO2・塩基を含む溶媒に分けた二液型があります(HYDRANAL のマニュアル)。

日本薬局方と JIS には、過剰の試薬を一定量加えてから、余った分を水–メタノール標準液で滴定し返す逆滴定も定められています。HYDRANAL のマニュアルは、反応の遅いピリジン系試薬の時代に重要だった方法で、現在の試薬で必要になることは少ないとしています。

電量法:ヨウ化物イオンからヨウ素を電気でつくる

電量法では、ビュレットの代わりに電流でヨウ素をつくります。セルの陽極液にはヨウ化物イオン・SO2・塩基・アルコールが入っていて、ヨウ素発生用の電極(陽極)で

2I− → I2 + 2e−

が起こります。できたヨウ素がその場で水と反応し、水がなくなるとヨウ素が余り、それを検出して止めます。日本薬局方の装置では、陽極と陰極を隔膜で隔て、陽極は陽極液(発生液)に、陰極は陰極液(対極液)に浸します。JIS K 0113 は、陽極液と陰極液の間に「液の混合を防ぐために」隔膜を置くとしています。陰極では還元反応が起こるので、そこで生じた還元性の物質が陽極側に入るとヨウ素と反応し、水が多いように見えてしまいます(HYDRANAL のマニュアルは、陰極側から還元性物質が隔膜を通って拡散すると水分が高く測定されると説明しています)。隔膜の無い電極もあり、扱いやすい一方、ケトン・アルデヒド用の専用試薬は隔膜のある電極用だと Metrohm のモノグラフは書いています(2006年の資料の時点)。

10.71 C/mg はどこから来るのか

電量法では、流した電気量 Q から、ファラデーの法則で生じたヨウ素の量がわかります。ヨウ素1 mol をつくるのに電子2 mol(2F)が要り、そのヨウ素1 mol が水1 mol と反応するので、水1 mol に対応する電気量は 2 × 96485 C です。水のモル質量 18.015 g/mol で割ると

2 × 96485 C/mol ÷ 18.015 g/mol = 10712 C/g = 10.71 C/mg

となります。日本薬局方〈2.48〉の計算式、水分含量(%)= Q ÷(10.71 × M)× 100(Q:電気量 C、M:試料の質量 mg。日本薬局方の原文では電気量を C と書く)の 10.71 はこの値です。PMDA の改正案の概要によると、以前の版はこの値を 10.72 としていて、第十八改正で 10.71 に改められました(水分計メーカーの京都電子工業の2021年の案内も同じ趣旨)。水のモル質量を 18 g/mol と丸めると 10.72 になる、という違いです。

電量法が「力価の標定が要らない」と言われるのは、電子の数が物理定数で決まるからです。ただし、電流がすべてヨウ素の発生に使われること(電流効率100%)や、副反応が無いことが前提です。日本薬局方も、水または水分量既知の溶液を加えて回収率を確かめる測定の適合性試験(約1000 μg の添加で97.5〜102.5%、約100 μg で90.0〜110.0%)を求めています。

なぜ電量法は微量向きで、容量法は多めの水向きなのか

理由は、ヨウ素を入れる速さと、入れる量の細かさにあります。

電量法は電流でヨウ素をつくるので、大量の水には時間がかかります。HYDRANAL のマニュアルは、滴定電流が小さいため10分間で滴定できる水は最大5〜10 mg 程度だとしています。たとえば電流 100 mA なら、水1 mg(10.71 C)に約107秒かかる計算です。その代わり、電気量はごく小さな量まで正確に測れるので、μg の水まで数えられます。

容量法は逆に、少量の水が苦手です。力価 5 mg/mL の試薬で水 0.1 mg を測ると、滴下量はわずか 0.020 mL(20 μL)です。Metrohm のモノグラフは、密閉したセルでも外気から入り込む水が毎分 20 μL 程度の試薬消費に相当しうると書いています。装置はこれをドリフトとして測って差し引きますが、測りたい水が少ないと補正の誤差が相対的に大きくなります。測りたい水と、入り込む水が同じ桁になってしまうわけです。力価の低い試薬(1〜2 mg/mL)や多めの試料で下限を下げる工夫はありますが、同モノグラフはその場合の容量法の下限をおおよそ 50〜100 ppm としています。

測れる範囲の目安は資料によって書き方が違います。まずは「1回の測定で何 mg の水をフラスコに入れることになるか」を見積もり、日本薬局方の目安(容量法 5〜30 mg、電量法 0.2〜5 mg)に入るように試料の量を決めると考えるのが確実です。

終点の検出——双白金電極で「余ったヨウ素」を見る

終点は、水がすべて反応し、ヨウ素がわずかに余り始めた点です。これを、溶液に差し込んだ2本の白金電極(双白金電極)で電気的に見つけます。日本薬局方は2つの方式を挙げています。電極間に一定の微小電圧をかけて電流を測る定電圧分極電流滴定法と、一定の微小電流を流して電位差(電圧)を測る定電流分極電位差滴定法です。図3は後者の様子です。

双白金電極による終点検出の模式図。終点の前は溶液にヨウ素が無く、陰極では主に水素発生で電流が流れると考えられ、大きな電圧が要る。終点の後は余ったヨウ素が陰極で還元され、陽極ではヨウ化物イオンが酸化されるので小さな電圧で電流が流れる。電圧が設定値を下回った状態が一定時間続くと終点

なぜヨウ素が余ると電圧が下がるのか

大堺の解説に沿って、一定の微小電流を流す場合を考えます。陽極側では、溶液に十分あるヨウ化物イオンが I2 に酸化される反応(2I− → I2 + 2e−)で、楽に電流が流れます。問題は陰極側です。終点の前は溶液にヨウ素が残っていないので、陰極で還元される相手が乏しく、電流は主に水素の発生で流れると考えられます。そのためには陰極の電位を大きく負にしなければならず、電極間の電圧は大きくなります。

終点を少しでも越えると、反応しきれなかったヨウ素が溶液に残ります。すると陰極で I2 + 2e− → 2I− が起こるようになり、陰極と陽極の両方で同じ I2/I− の組が反応する形になります。この組は電極上で速やかに行き来できるので、小さな電圧で電流が流れ、電極間の電圧が急に下がります。Metrohm のモノグラフは、双白金電極に 50 μA を流したときの例として、水が過剰で約680 mV、ヨウ素が過剰で約100 mV という値を挙げています(電圧は流す電流や電極で変わります)。なお、大堺はこの電流–電位曲線による説明について、実験的な検証がなされたものではないと断っています。

定電圧分極電流滴定法では、同じことが逆の形で現れます。終点の前は電流がほとんど流れず、ヨウ素が余ると電流が増えます。Metrohm のモノグラフは、ヨウ素が過剰になると数 μA に増えると説明しています。

「一定時間続いたら終点」とする理由

日本薬局方は容量法の終点を「微小電流の変化量が一定時間(通例,30秒間以上)持続する状態」としています。終点の直前には、ヨウ素が一瞬余っても、試料から遅れて出てくる水や、ゆっくり進む反応で消費されて、もとに戻ることがあります。一瞬の変化で止めると水を数え残すので、余った状態が続くことを確かめてから終点とするのです。HYDRANAL のマニュアルは、反応の遅いピリジン系試薬では終点の戻りが珍しくなかったこと、終点待ち時間は一般に20秒に設定され、水がゆっくり放出される試料では長めにするとよいことを書いています。

電気的な終点検出では、いつも同じだけのわずかなヨウ素の過剰で止まります(Metrohm のモノグラフ)。しかも試料を入れる前に、前滴定でセルを同じ終点の状態にしてあります。測定の始めと終わりで溶液は同じ「わずかにヨウ素が余った状態」なので、その過剰分は差し引きで消え、試料の水に使われたヨウ素だけが数えられると考えられます。

力価(水分当量)の標定

容量法の試薬のラベルには「5 mg/mL」などと書かれていますが、その値をそのまま使うことはしません。JIS K 0113 は力価を「カールフィッシャー試薬の単位体積当たりの水の当量」(mg/mL)と定義しています。日本薬局方は、この力価が「僅かな吸湿でも経時的に変化するので,用時標定する」としています。試薬は水と反応するのが仕事なので、瓶を開けるたびに空気中の水分を吸って、少しずつ力価が下がっていくのです。HYDRANAL のマニュアルは、温度が1 °C 上がると力価が約0.1%下がるとも書いています(有機溶媒の熱膨張で、同じ体積に含まれる試薬が減るため)。

標定には、量の正確にわかる水を使います。日本薬局方は、無水の状態にしたフラスコに水5〜30 mg を精密に量って入れ、終点まで滴定して f = m/V(m:水の質量 mg、V:滴定量 mL)とします。水を正確に量りとるのは意外に難しいので、JIS K 0113 は酒石酸ナトリウム二水和物(36.04 ÷ 230.08 から水分は約 15.66%)や、市販のアンプル入り水標準品も標準として挙げています。

計算例(計算練習用の仮の数値)

力価の標定:水 25.0 mg を加えて滴定し、滴定量が 5.10 mL だった。

f = 25.0 mg ÷ 5.10 mL = 4.902 mg/mL(次の計算に使うので1桁多く残す)

酒石酸ナトリウム二水和物で標定する場合:150.0 mg をとり、滴定量が 4.75 mL だった。水の質量は 150.0 × 36.04 ÷ 230.08 = 23.50 mg なので、f = 23.50 ÷ 4.75 = 4.95 mg/mL です(36.04 は水2分子分の質量、230.08 は二水和物のモル質量。どちらも JIS K 0113 の式の値)。

容量法で試料を測る:試料 1.500 g(1500 mg)をとり、f = 4.902 mg/mL の試薬で 2.35 mL 滴定した。

水の質量 = 2.35 mL × 4.902 mg/mL = 11.52 mg
水分含量 = 11.52 mg ÷ 1500 mg × 100 = 0.768 %

水の量 11.52 mg は、日本薬局方の目安 5〜30 mg の範囲に入っています。

電量法で THF を測る:THF 4.00 g を注入し、終点までの電気量が 2.40 C だった。

水の質量 = 2.40 C ÷ 10.71 C/mg = 0.2241 mg
水分     = 0.2241 mg ÷ 4000 mg = 5.60 × 10−5 = 56.0 ppm(質量)

ppm は「100万分の1」で、ここでは質量どうしの比です。水 0.224 mg は日本薬局方の目安 0.2〜5 mg の下限付近なので、実際にはもう少し多めに注入するか、結果のばらつきに注意します。

試料の入れ方——直接・溶解・水分気化法

カールフィッシャー法で特に注意したい誤差の原因が、試料を入れる途中で入り込む水です。HYDRANAL のマニュアルは、実験室の空気がおよそ 10 μg/mL の水を含むと書いています。電量法で数十 μg の水を測っているときに、セルを開けて空気が入れば、それだけで結果が変わります。日本薬局方も、滴定は低湿度下で行い、外気の水の影響が避けられない場合は空試験で補正するとしています。

  • 液体:乾いたシリンジでとり、セプタム(ゴム栓)越しにセルへ注入します。注入前後のシリンジの質量の差で試料の質量を求めます。
  • 溶ける固体:容量法なら、セルに直接入れて溶かせます。電量法では、セルをなるべく開けないために、乾いた溶媒に溶かしてから注入する方法もとられます(HYDRANAL のマニュアル。溶媒の水分は別に測って差し引く)。
  • 溶けない固体・妨害する試料:日本薬局方〈2.48〉は、試料が溶剤に溶けないときや、カールフィッシャー反応を妨害するときは、水分気化装置で試料を加熱し、窒素をキャリヤーとして水分をフラスコに導入できるとしています。これが水分気化法です。

水分気化法で妨害を避けられる理由

水分気化法では、試料は加熱炉の中にとどまり、セルに入るのは気化した水と乾いたキャリヤーガスだけです。試料が試薬に触れないので、試薬と反応する成分や溶けない成分の影響を受けません(Metrohm のモノグラフ)。プラスチックや無機塩のように高温でないと水を放さない試料にも使えます。HYDRANAL のマニュアルは加熱温度の例として 100〜300 °C を挙げています。

ただし条件があります。同マニュアルは、水を気化させる温度で試料そのものが蒸発しないこと、試料が分解して滴定を妨げる物質を生じないことを挙げています。加熱で分解して水を出す試料では、出てきた水が「もともとあった水」なのか「分解でできた水」なのか区別できません。温度は試料ごとに決め、日本薬局方も、水分量の分かった物質や安定な水和物で適合性を確かめるとしています。

誤差の原因になる副反応

カールフィッシャー法が水だけを数えられるのは、試料が試薬と反応しない限りです。試料が水をつくるか、水を消費するか、ヨウ素を消費するか、ヨウ素をつくるか。この4つのどれに当たるかで、結果が高く出るか低く出るかが決まります。代表的なものを Metrohm のモノグラフと HYDRANAL のマニュアルからまとめます。

試料 何が起こるか 結果 対策の例
ケトン・アルデヒド 試薬のメタノールとアセタール(ケトン由来のものはケタールとも呼ぶ)をつくり、水が出る 高く出る・終点が定まらない メタノールを含まない専用試薬(ケトン用試薬)
アルデヒド SO2 と水が付加する(亜硫酸水素塩付加) 水が消費され低く出る 専用試薬、低温での滴定
還元性物質(アスコルビン酸・チオール・亜硫酸塩・ヒドラジンなど) ヨウ素を直接消費する 高く出る 水分気化法、(アスコルビン酸・ヒドラジンは)先にヨウ素溶液で酸化しておく
酸化性物質(ジアルキル過酸化物・ジアシル過酸化物・塩素・臭素など) ヨウ化物イオンを酸化してヨウ素をつくる 低く出る 低温での滴定(過酸化物)、SO2 を通じて還元(塩素・臭素)
炭酸塩・水酸化物・一部の金属酸化物 反応で生じた酸と中和して水が出る 高く出る 水分気化法
強酸 pH が下がって反応が遅くなる。酸によってはメタノールとエステルをつくり水が出る 終点が遅い・高く出る イミダゾールなどの塩基で中和してから測る
強い塩基(脂肪族アミンなど) pH が上がり、副反応でヨウ素がゆっくり消費される 終点に達しない 安息香酸などの弱酸で先に中和する
シラノール・ホウ酸 メタノールとエステル化して水が出る 高く出る メタノールを含まない試薬(シラノール)、水分気化法

ケトン・アルデヒドでは何が起こるのか

アルデヒドやケトンは、アルコール2分子と反応してアセタールと水になります。

R2C=O + 2CH3OH ⇌ R2C(OCH3)2 + H2O

この反応は酸触媒の平衡で、水を除くとアセタール側へ傾きます(アセタール・ヘミアセタールとは)。カールフィッシャー試薬はメタノールを大量に含むうえ、滴定は生じた水をヨウ素でどんどん消していく操作です。つまり、平衡を「水を除く」向きに押し続けることになります。生じた水が次々に滴定されるので、結果が高く出るだけでなく、いつまでもヨウ素が消費され続けて終点が定まらないことがあります。HYDRANAL のマニュアルも、この副反応で生じる水が滴定されて値が高くなったり、終点が消失したりすると説明しています。

Metrohm のモノグラフによると、反応の速さは化合物によって違い、ケトンではアセトンとシクロヘキサノンで速く、ベンゾフェノンなどは反応しないとされています。アルコールの側では、メタノールがいちばん速く反応し、鎖の長いアルコールほど遅くなります。そこで専用試薬では、メタノールの代わりに反応しにくいアルコールなどを使い、アセタール生成を抑えています。JIS K 0113 も、メタノールと反応する試料にはメタノールを含まない溶媒・電解液を使うよう定めています。

なお、乾燥剤の記事で扱ったように、アセトンはモレキュラーシーブの上でも縮合して水をつくります。アセトンは「乾かすとき」も「水分を測るとき」も、ふつうの方法がそのまま使えない溶媒です。

酸化還元性の物質で値が狂う理由

カールフィッシャー法は、消費されたヨウ素を水の量とみなす方法です。だから、水以外の理由でヨウ素が減ったり増えたりすると、そのまま誤差になります。還元性物質(チオールなど)はヨウ素を直接消費するので、その分だけ水が多いように見えます。チオールはヨウ素でジスルフィドに酸化されます(2RSH + I2 → RSSR + 2HI)。逆に、ジアルキル過酸化物のような酸化性物質はヨウ化物イオンからヨウ素をつくるので、滴下が少なくて済み、水が少ないように見えます。ただし、ヒドロペルオキシド(ROOH)は ROOH + 2HI → ROH + I2 + H2O のように、ヨウ素と同時に等量の水もつくるので、差し引きで妨害しません。過酸化水素は二酸化硫黄と直接反応して硫酸になり(H2O2 + SO2 → H2SO4)、水もヨウ素も出入りしないので、やはり妨害しません。生じる酸は塩基で中和しておきます(いずれも Metrohm のモノグラフ)。誤差の向きは「ヨウ素と水の収支」で決まるわけです。大堺の解説は、ジメチルスルホキシドのような電極で反応しやすい物質を含む試料も、この方法に向かない例として挙げています。

乾燥減量との違い——何を測っているのか

「水分」を測る方法としてよく比べられるのが乾燥減量です。日本薬局方〈2.41〉乾燥減量試験法は、この方法を「乾燥することによって失われる試料中の水分,結晶水の全部又は一部及び揮発性物質などの量を測定するために用いる」としています。測っているのは減った質量で、それが水かどうかは問いません。

比べる点 乾燥減量 カールフィッシャー法
測るもの 乾燥で減った質量(水・揮発性物質・一部の結晶水など) ヨウ素と反応した水(副反応が無い限り水だけ)
残留溶媒 揮発すれば「減量」に含まれる 数えない
結晶水 乾燥条件で抜ける分だけ 試料が溶ければ測れる(溶けなければ水分気化法)
条件 温度・時間・乾燥剤を厳密に決めないと比べられない 試料と試薬が反応しないことが前提

たとえば再結晶した結晶にエタノールが残っていれば、乾燥減量はエタノールと水を合わせた値になり、カールフィッシャー法は水だけを示します。2つの値の差から、水以外の揮発分があることに気づけます。新しく合成した化合物では、水や残留溶媒が混ざっていると、元素分析の炭素の値が下がるという形でも表に出ます。加熱で減る質量を連続して追う方法として熱重量測定(TG)もありますが、こちらも「何が抜けたか」までは教えてくれません。日本薬局方〈2.52〉が TG を水分測定の別法とするときに水以外の揮発成分が無いことを確かめるよう求めている点は、TG-DTA の記事で扱っています。

有機合成での使いどころ

有機合成の研究室で使う場面として、乾燥させた溶媒の水分の確認があります。冒頭の計算のように、ppm の水でも、水に弱い試薬を少量使う反応では無視できない割合になります。有機合成の乾燥剤の選び方で紹介した Williams と Lawton(2010年)の比較も、電量法のカールフィッシャー滴定で溶媒の残存水分を測ったものです。グリニャール試薬が水で分解する理由はグリニャール試薬(RMgX)完全解説を参照してください。

溶媒のような ppm 水準の試料には、電量法が使われます。測るときに気をつけたいのは、測定そのものより試料のとり方です。

  • 乾いた器具を使う:HYDRANAL のマニュアルは、メタノールをとった後の 25 mL ピペットで、再びメタノールをとって注入したところ、1分後で 250 μg、15分後で 1,000 μg の水が確認された例を挙げています。置いておくあいだに器具が吸った水が、ppm の測定を簡単に狂わせます。
  • 空気に触れる時間を短くする:容器から抜きとるときは、不活性ガス下でセプタム越しに行い、とってからすぐ注入します。
  • 注入量を決めておく:予想される水分から、セルに入る水の量が測りやすい範囲(日本薬局方の電量法の目安 0.2〜5 mg)に入るように量を決めます。HYDRANAL のマニュアルは電量法の試料量を 10 mL 以下とし、通常 0.5〜5.0 mL の液体試料を注入するとしています。

乾かした溶媒を測って水分が予想より高かったときは、乾燥が不十分なのか、とる途中で吸ったのか、測定で入ったのかを切り分けます。同じ溶媒を2回測ってばらつきを見る、空のシリンジで同じ操作をして持ち込まれる水を確かめる、といった確認が役に立ちます。

試薬の取り扱いと安全

カールフィッシャー試薬には、ヨウ素・二酸化硫黄・塩基・アルコールが含まれます。製品によってはメタノールのほか、クロロホルムなどのハロゲン系溶媒を含むものもあります。試薬・電解液の組成は製品ごとに違うので、使う前にSDS(安全データシート)で有害性と保護具を確認します。

  • 蒸気を吸わない:試薬の補充や交換、廃液の抜きとりはドラフト内で行い、保護眼鏡と手袋を着けます。試薬に溶けている二酸化硫黄は、刺激性のある有毒な気体です。メタノールは引火性で毒性もあります。古い処方の塩基であるピリジンは、においと毒性が問題にされてきた物質です(Metrohm のモノグラフ)。
  • 火気を近づけない:試薬の多くは、引火性の有機溶媒を主成分としています。
  • 廃液は流しに捨てない:JIS K 0113 は、試薬溶液・電解液とその廃液を所定の場所に回収し、環境汚染の無いように処分するよう定めています。所属機関の廃液区分に従います。
  • 保存は密栓して冷暗所:日本薬局方と JIS は、試液を遮光して湿気を避け、冷所に保存するとしています。吸湿は力価を下げるだけでなく、試薬の劣化にもつながります。
  • 専用試薬は SDS を特に確認する:ケトン用などの専用試薬には、毒性の高い成分を含むものがあります。HYDRANAL のマニュアルは、2-クロロエタノールとクロロホルムを含む作業液を、毒性が高いため日本では販売していないと書いています。

試験・院試での問われ方

分析化学や機器分析の試験、大学院入試でカールフィッシャー法が問われるときの形としては、次のようなものがあります。どれも「水1個がヨウ素1個を消費する」「ヨウ素の量を何で量るか」に戻ると答えを組み立てられます。

  • 計算:力価の標定(f = 水の質量 ÷ 滴定量)、容量法の水分含量、電量法の電気量から水の質量(Q ÷ 10.71)。10.71 C/mg をファラデー定数から導く問題もあり得ます。
  • 反応の説明:なぜアルコールが必要か(SO2 をエステルにして量論を1:1にする)、塩基の役割(生じる酸を中和し pH を保つ)。
  • 方法の選択:ppm の水を含む溶媒なら電量法、水の多い固体なら容量法、溶けない試料や妨害する試料なら水分気化法。
  • 誤差の向き:ケトンはなぜ高く出るか、酸化剤・還元剤はどちらに狂わせるか。
  • 他の方法との比較:乾燥減量・TG との違い(何を測っているか)。

まとめ

カールフィッシャー法の要点
・アルコールと塩基の中で、水1個がヨウ素1個を消費する。メタノールなどのアルコールは SO2 を亜硫酸エステル(メタノールならメチル亜硫酸)にして量論を1:1にする
・容量法はヨウ素を含む試薬を滴下し、体積と力価から水を求める。電量法はヨウ化物イオンを電解してヨウ素をつくり、電気量 ÷ 10.71 で水を求める
・双白金電極は、ヨウ素がわずかに余って I2/I− の組がそろったこと(その状態が続くこと)を電圧(または電流)の変化で捉える
・ケトン・アルデヒドはメタノールとアセタールをつくって水を出す。酸化還元性の物質や強酸・強塩基も誤差の原因
・乾燥減量は「減った質量」、カールフィッシャー法は「水」を測る

カールフィッシャー法は、水を「重さ」ではなく「反応した量」で数える方法です。測った値がおかしいと感じたら、試料が水をつくっていないか、ヨウ素を食べていないか、とる途中で水を吸っていないかを順に疑うと、原因にたどり着けます。

よくある質問

カールフィッシャー法の原理を一言でいうと何ですか?

アルコールと塩基の中で、水がヨウ素と二酸化硫黄と物質量で1対1に反応することを利用して、消費されたヨウ素の量から水の量を求める方法です。二酸化硫黄はメタノールなどのアルコールと反応して亜硫酸エステルのイオン(メタノールならメチル亜硫酸イオン)になり、ヨウ素がこれをメチル硫酸イオンへ酸化するときに、増える酸素原子を式の上で水が出します。そのため水が無ければ反応が進まず、水だけを選んで数えられます。

容量法と電量法はどう使い分けますか?

容量法はヨウ素を含む試薬をビュレットで滴下する方法で、水の量が多い試料や、固体を直接入れたい試料に向きます。電量法はヨウ化物イオンを電解してヨウ素をつくる方法で、電気量を細かく測れるため、ppm 水準の微量の水に向きます。日本薬局方の操作法では、1回に測る水の量の目安が容量法で5〜30 mg、電量法で0.2〜5 mg なので、試料に含まれる水の量を見積もって選びます。

電量法ではなぜ力価の標定が要らないのですか?

電量法では、ヨウ化物イオンの電解でヨウ素をつくり、流した電気量から生じたヨウ素の量をファラデーの法則で計算するからです。ヨウ素1 mol に電子2 mol が要り、ヨウ素1 mol が水1 mol と反応するので、水1 mg に対応する電気量は 2 × 96485 ÷ 18.015 = 約10.71 C と物理定数で決まります。ただし電流がすべてヨウ素の発生に使われ、副反応が無いことが前提なので、水や水分量既知の標準を加えて回収率を確かめる確認は必要です。

ケトンやアルデヒドの水分を測ると高く出るのはなぜですか?

ケトンやアルデヒドが、試薬に含まれるメタノールと反応してアセタールと水をつくるからです。この反応は平衡ですが、滴定は生じた水をヨウ素で次々に消していくので、平衡がアセタール側へ押され続け、試料にもともと無かった水まで数えてしまいます。終点が定まらなくなることもあります。メタノールを含まない専用試薬を使うと、この副反応を抑えられます。アルデヒドでは、二酸化硫黄と水が付加して水が消費され、逆に低く出る副反応もあります。

カールフィッシャー法と乾燥減量の違いは何ですか?

乾燥減量は、試料を決めた条件で乾燥させて減った質量を測る方法で、水だけでなく残留溶媒などの揮発性物質も一緒に数えます。カールフィッシャー法は、ヨウ素と反応した水だけを数えるので、副反応が無ければ揮発性の溶媒は結果に入りません。両方を測って差があれば、水以外の揮発分が含まれていると考えられます。日本薬局方では乾燥減量は〈2.41〉、カールフィッシャー法は〈2.48〉に定められています。

関連記事

分析機器の全体像は機器分析総まとめ、検量線を使う定量の考え方は検量線とはにまとめています。