【高校化学】貴ガスとは【第18族元素】

貴ガス（きガス、Noble gases）は、周期表の18族に属する元素群であり、そのメンバーにはヘリウム（He）、ネオン（Ne）、アルゴン（Ar）、クリプトン（Kr）、キセノン（Xe）、およびラドン（Rn）が含まれます。貴ガスは、その化学的な不活性さから「希ガス」とも呼ばれています。

貴ガスの特徴

化学的安定性

貴ガスは外殻電子が満たされているため、ほとんど化学反応を起こしません。特に、ヘリウム、ネオン、アルゴンは非常に不活性です。

単原子ガス

自然界では単原子分子（つまり、1つの原子からなる分子）として存在します。

無色無臭

すべての貴ガスは無色無臭です。

低い反応性

多くの環境で他の物質と反応しない。

発光性

電流を通すと特定の色を発するため、ネオンランプなどの照明用途に使用されます。

貴ガス元素

ハロゲン元素には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン、オガネソンがあります。

ヘリウム He

• 原子番号: 2
• 用途: バルーン、冷却材（超伝導磁石の冷却に使用）
• 特性: 最も軽い貴ガスで、非常に低温でも液体に変わらない。

ネオン Ne

• 原子番号: 10
• 用途: ネオンサイン、冷凍機
• 特性: 赤橙色の光を発する。

アルゴン Ar

• 原子番号: 18
• 用途: 電球のフィラメントの保護、溶接ガス
• 特性: 大気中に約1%含まれ、三重点で固体、液体、気体が共存できる。

クリプトン Kr

• 原子番号: 36
• 用途: 高性能の電球、蛍光灯、レーザー
• 特性: 白色に近い光を発する。

キセノン Xe

• 原子番号: 54
• 用途: 高輝度放電ランプ、Xenonフラッシュランプ、麻酔薬
• 特性: 多くの貴ガス中で最も重く、紫外線から可視光までの幅広い光を発する。

ラドン Rn

• 原子番号: 86
• 用途: かつては放射線治療に使用されていたが、現在はあまり使われていない
• 特性: 放射性ガスで、肺癌のリスクを高める可能性がある。

オガネソン Og

貴ガスの応用例

• 照明: ネオンやキセノンを使用したネオンサイン、キセノンランプ。
• 冷却材: ヘリウムはMRI装置や超伝導体の冷却に使われる。
• 溶接: アルゴンは不活性ガスとして溶接に使用される。
• 科学研究: 貴ガスの特性を利用して、研究や分析に利用されることもある。

最後に

貴ガスはその不活性さから多くの産業で利用されており、安全性が高いことから幅広い用途に適しています。