SCIENCE

【元素図鑑】ネオン Ne【原子番号10】

ネオンに関する情報をまとめました。

ネオンの基本情報

和名 ネオン
英名 Neon
語源 ギリシャ語 「新しい(neos)」
元素記号 Ne
原子量 20.18
常温(25℃)での状態 気体
無色
臭い 無臭
密度 0.89994 g/L (気体, -0.15℃)
融点 -248.67℃
沸点 -246.05℃
発見者 ラムゼー, トラバース(イギリス, 1898年)
含有鉱物

ネオンの主な特徴

  • 貴ガス元素に属する単原子性の気体元素
  • 常温常圧では無色・無臭・無味の不活性ガス
  • 大気中にはわずか0.0018%しか含まれていない
  • 非常に反応性が低く、常温ではほとんどの物質と化合しない
  • 電気を通す性質を活かしてネオンサインや放電管に使用される
  • 液体ネオンは冷却材としての用途も持つ

ネオンの歴史

発見

ネオンは1898年、イギリスの化学者サー・ウィリアム・ラムゼーとモリス・トラバースによって液体空気の分留中に発見されました。

彼らはすでにアルゴンやクリプトンを発見しており、ネオンはその延長で得られた第3の貴ガスでした。

名前の由来

「ネオン(Neon)」という名称は、ギリシャ語の「neos(新しい)」に由来します。これは、当時発見されたばかりの新元素であったことにちなみます。

ネオンの主な用途

ネオンは化学的には不活性であるものの、以下のような分野で応用されています:

  • ネオンサイン: ガラス管にネオンガスを封入し、高電圧で放電させることで赤橙色の光を発する。装飾・広告に使用
  • 高電圧放電管: 電子管、計測機器、電圧表示装置などに使用
  • 冷却材(液体ネオン): 液体ヘリウムに代わる低温冷却媒体(沸点:−246℃)
  • レーザー発振媒体: He-Neレーザー(赤色光)の構成要素として利用される

 ネオンの生成方法

ネオンは自然界に微量しか存在しないため、大気からの分離によって得られます:

  • 空気の分留: 液化空気を高精度で蒸留し、酸素・窒素・アルゴンなどを除去した後にネオンを回収
  • 高純度精製: 分留で得られた混合ガスから化学吸着などで高純度ネオンを精製

ネオンを含む化合物

ネオンは最も化学的に不活性な元素の1つであり、常温常圧で安定な化合物は確認されていません。

ただし、極低温・高圧下では一時的な錯体やイオン性複合体(Ne+·Arn など)が観測されることがあります。

ネオンに関わる研究事例

ネオンは反応性の低さから化学合成にはあまり使われませんが、物理・材料科学、天文学などでは研究対象になります:

  • He–Neレーザー研究: 光通信、測定装置、教育用レーザー光源としての応用研究
  • 極低温冷却技術: 液体ネオンの冷却性能とコスト面での液体ヘリウム代替の評価
  • ネオンのスペクトル解析: 発光スペクトルの標準化と校正光源への応用
  • 宇宙化学: 太陽や恒星風に含まれるネオン同位体の観測を通じた天体の組成分析
  • 高エネルギー物理学: ネオンガスを用いたトラッカー(飛跡検出器)や粒子検出器の開発

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