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ローレンシウムは、アクチノイド元素で、原子番号103の元素です。

この元素をどうやって「見る」のか

原子番号が100を超える元素は、自然界には存在しません。加速器で軽い原子核を重い標的にぶつけ、融合させて1個ずつ作ります。できた原子はすぐ壊れるため、研究はふつうの化学とはまったく違う形になります。

ふつうの元素 超重元素
試薬瓶に入れて秤で量る 1原子ずつ作り、壊れる前に測る
ビーカーの中で反応させる 気体クロマトグラフィーなどで1原子の挙動を追う
性質は実測で分かる 周期表の位置から予測し、少数の実験で確かめる
原子量は精密に決まる 半減期の最も長い同位体の質量数を括弧書きで示す
原子量が括弧つきなのはこのためです。天然に安定同位体が存在しないので「平均の原子量」が定義できず、代表的な同位体の質量数を示すしかありません。基本情報の表で原子量が (277) のように書かれていたら、それは測定値ではなく同位体の質量数だと読んでください。

どうやって作るのか——「当てて、くっつける」

超重元素の作り方は、原理だけならとても単純です。軽い原子核を加速して、重い標的の原子核にぶつけ、融合させる。それだけです。難しいのは確率で、照射したイオンのほとんどは標的をはじき飛ばすか、素通りするか、融合してもすぐ分裂してしまいます。何兆回ぶつけて1個できるという世界です。

できた原子は標的のうしろへ飛び出してくるので、電磁石で不要な粒子をふるい落としてから検出器へ送ります。そしてその原子が壊れていく順番(崩壊連鎖)を観測して、さかのぼって「確かに原子番号103の原子が1個できた」と確認するのです。天秤に乗せて確かめるわけではありません。

名前はどう決まるのか

合成を報告しただけでは名前はつきません。IUPACとIUPAPの合同作業部会が、他の研究所でも再現できるかを含めて審査し、発見が認定された時点で、発見者に命名を提案する権利が与えられます。

段階 何が決まるか
合成の報告 まだ何も確定しない(別グループの追試を待つ)
発見の認定 どのグループが最初かが決まる
命名の提案 発見者が名前を提案する(地名・人名・神話・性質に限られる)
正式決定 IUPACが承認するまではウンニル〜などの仮の名で呼ばれる

仮の名前は、原子番号をラテン語・ギリシャ語の数詞で読んで「-ium」を付けたものです。0=ニル、1=ウン、2=ビ、3=トリという具合に対応しているので、仮名を見れば原子番号が読める仕組みになっています。

ローレンシウムはアクチノイドの最後の元素で、最外殻の電子が相対論の効果で予想とは違う軌道に入ることが知られています。そのため周期表のどこに置くべきか(アクチノイドの末尾か、3族か)という議論の対象でもあります。

サイクロトロンの発明者の名なのに、発見にはサイクロトロンを使っていない

名前の由来はサイクロトロンを発明したアーネスト・ローレンスです。ところが1961年の合成に使われたのはサイクロトロンではなく、重イオン線形加速器でした。

理由は単純で、重い原子核を加速するには線形加速器のほうが向いていたからです。サイクロトロンは陽子や軽いイオンを回しながら加速する装置で、重イオンを目的のエネルギーまで持っていくには不利でした。命名はローレンスという人物と、彼が築いたバークレーの加速器研究そのものへの敬意であって、使った装置の種類を指しているわけではありません。

ローレンシウムの位置づけ

アクチノイドの最後の元素です。電子配置が相対論の効果で予想と違うことが知られており、周期表のどこに置くべきか(アクチノイドの末尾か、3族か)という議論の対象にもなっています。

基本情報

和名 ローレンシウム
英名 Lawrencium
語源 サイクロトロンを発明したローレンス (Lawrence)
元素記号 Lr
原子番号 103
原子量 (262)
常温(25℃)での状態 ー
色 ー
密度 ー
融点 ー
沸点 ー
発見者 ギオルソ 他(アメリカ)[1961年]
含有鉱物 -

よくある質問

%s はどこにあるのですか?

自然界には存在しません。加速器の中で人工的に作られる元素で、できた原子はすぐに崩壊してしまうため、どこかに貯めておくことができません。研究は1原子ずつ作っては壊れるのを観測する形で進められます。

原子量が括弧つきで書かれているのはなぜですか?

天然に安定同位体が存在しないため、「平均の原子量」を定義できないからです。括弧の中の数字は測定された原子量ではなく、知られている同位体のうち代表的なものの質量数です。安定同位体をもつふつうの元素とは意味が違うので、同じ感覚で読まないよう注意してください。

なぜサイクロトロンの発明者の名なのに、サイクロトロンで発見されていないのですか?

命名は装置の種類ではなく、アーネスト・ローレンスという人物と、彼が築いたバークレーの加速器研究そのものへの敬意だからです。1961年の合成に使われたのは重イオン線形加速器で、重い原子核を目的のエネルギーまで加速するにはサイクロトロンより向いていました。サイクロトロンは陽子や軽いイオンを回しながら加速する装置で、重イオンには不利だったのです。

ローレンシウムの電子配置が議論になっているのはなぜですか?

相対論の効果で最外殻の電子が予想と違う軌道に入るためです。重い元素では内側の電子が光速に近い速さで動くため軌道の広がりとエネルギーが変わり、軽い元素からの外挿が当たらなくなります。このためローレンシウムを周期表のどこに置くか(アクチノイドの末尾か、3族のスカンジウム・イットリウムの下か)という議論が続いています。

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どれも加速器で1原子ずつ作る元素です。作り方と確認のしかたは共通しています。