今回は、『新版 社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった』の書評です。
この本の元は、2002年に発行され、20万部以上の大ヒットとなりました。
そして、2019年に新版が出版されました。
本書を読んでほしい人
本書は、以下のような人に読んでほしい一冊です。
- サービス業に携わっている人
- ディズニー好きの人
この本は、サービス業をしている人には欠かせません。
正社員の方はもちろんのこと、バイトやパートの方にも必須です。
ご存じの通り、ディズニーのキャストやクルーはバイトが非常に多いです。
この本の著者である香取さんも、バイトとしてディズニーで働き始めています。
高校生で、「働く」ということがまだよくわかっていないという人には、特におすすめです。
あと忘れてはならないのが、これはディズニーでのお話だということです。
ディズニー好きが読んだら堪りません。(笑)
この2つの条件を出すと、日本国民の95%は当てはまるのではないでしょうか。
本書の核
本書の一番の核は、「社会で働く上で大切なことは何だろう」ということだと思います。
タイトル通りなんですよね。
本の中では、様々な具体例が提示されています。
おそらく、働いたことがある人なら一度は経験したことがあり、どのエピソードにも共感できると思います。
それらの共通点は、「社会で働くときに大切なこと」です。
社会人全員がこの本を読めば、社会の質は大きく向上すると思います。
香取貴信(著者)のプロフィール
ここで、著者である香取貴信さんのプロフィールを簡単に紹介します。
香取貴信さんは、1971年6月6日に東京都江戸川区で生まれました。
学生時代はヤンキーであったと、自身で語っておられます。
高校1年生のときに、「彼女にミッキーマウスと一緒の写真を撮ってあげたい」という理由から、ディズニーランドでバイトを始めます。
その後、準社員となり、エレクトリカルパレードゲストコントロールをはじめ、様々なアトラクションなどを担当されます。
1995年に、ディズニーを辞め、(株)SHUU研究所に入社されます。
2004年には、(有)香取感動マネジメントを設立され、代表取締役を務められています。
本書の要約
本書の内容を章ごとに要約します。
第1章 「働く」とは
どんな業種であれ、「働く」ということは共通しています。
もちろん、働く上で考えなければいけないことにも共通している部分があります。
この章では、そのことについて書かれています。
働くということは、社会的責任が生まれます。
その代わり、お金がもらえます。
すなわち、学校で勉強するのとは違うわけです。
遅刻や残業に対する考え方、現実の厳しさなど、働く人なら最低限知っておかないといけないことを知ることができます。
第2章 「教える」とは
香取さんの小さい頃の夢は、「学校の先生」になることでした。
しかし、高校までヤンキーとして学校生活を送っており、その夢は非現実的なものになっていました。
ところが、ディズニーで数年間働いていると、違う形で「教える」役職に就くこととなります。
この章では、そこから学んだ内容が書かれています。
「教える」ことをする上で大切なことは、すべての情報を伝えることではなく、相手に重要なことからわかってもらうことです。
この認識を間違えると、「自分はちゃんと教えているのに、わかってもらえない」という状況が生まれます。
そうなってしまうと、教える側にも教えられる側にも不満が溜まる一方です。
そこで、ディズニーの社員さんたちは様々な工夫をしておられました。
香取さんは、どのような工夫を目の当たりにされたのでしょうか。
実際に読んで確認してみてください。
第3章 「本当のサービス」とは
サービスとは、非常に大雑把な言い方です。
あなたは自分の中で「サービス」を定義していないでしょうか?
サービスにおいて、自分の中だけで良くしているつもりなのは、NGです。
なぜならば、サービスの良さを決めるのは、ゲストすなわちお客さんだからです。
本当にゲストのためになるのは、どのようなことをすればいいのか。
自分はどのように変わらなければいけないのか。
サービスの本質がまとめられています。
第4章 ディズニーを離れてわかったこと
香取さんは、20代前半でディズニーを退社し、(株)SHUU研究所で働き始めることとなります。
そこで九州のテーマパークの常駐となったとき、当然ですが、彼はディズニーの外の人と出会うことになります。
ディズニー以外のテーマパークで様々な仕事を経験し、サービスの視野が広がります。
また、ディズニーを楽しみにしている人たちの気持ちを知ることで、ゲスト一人ひとりを大切にしなければいけないという気持ちが強まる出来事もありました。
ディズニーを離れて、改めてディズニーで出会ってきた人たちの凄さを認識するのです。
本書の感想
私は、今までにこの本を2回読みました。
もともと本の名前は聞いたことがあったので、ディズニー好きなら読んでおかないといけないなという気持ちで買いました。
1回目に読んだのがいつだったか記憶が定かではないのですが、多分バイトを始める前だったと思います。
そのときも学ぶことは多くありましたし、ディズニー好きとしては盛り上がる体験談が満載でしたので、楽しく読むことができました。
2回目に読んだのはこの記事を書いた日です。
今はいくつかのバイトを経験し、社会の厳しさを痛感してきました。
パワハラを受けたこともありますし、3日間でクビになったこともあります。
そのような経験を経て、この本を読むと、共感できる部分はとても増えました。
もちろん、全く同じ状況を経験したことはないですが、自分の経験と置き換えられる部分はたくさんありました。
そして、サービス業で大切なことをたくさん学ばせていただきました。
これから働くときは、学んだことを少しずつ意識していきたいと思います。
最後に
『社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった』では、香取さんが約10年間で経験し、学んだことを凝縮した形で読むことができます。
会話形式が多く取り入れられており、読書初心者も読みやすい一冊です。
紹介した本は、以下のリンクから買うことができます。