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【早稲田応用化学科現役生が教える】化学の勉強方法【理系】

たくさんの化学式や計算式が登場し、化学を苦手教科としている人も多いのではないでしょうか。

しかし、化学は上手く勉強すれば安定して高得点を狙える教科です。

本記事では、化学を「理論化学」「無機化学」「有機化学」の3分野に分けて勉強法を紹介します。

理論化学の勉強法

理論化学を表す画像

理論化学は公式や原理が多く登場し、苦手意識を持ちやすい分野です。

しかし、理論化学は無機化学や有機化学とも繋がっており、非常に大切です。

名の通り、「理論」をしっかり理解することが理論化学をマスターするための鍵となります。

公式や原理の意味を理解する

公式や原理はその意味を理解していないと、覚えることが格段に難しくなります。

また、ただ暗記していただけでは、問題を解くことができません。

そのため、公式や原理はそれらの意味とともに理解するようにしましょう。

公式でも原理でもないですが、化学には”mol(モル)”という単位が登場します。

つまづきやすいポイントの一つです。しかし、これを理解できていなければ化学は全く分からないでしょう。

モルの定義は以下の通りです。

モル(記号は mol)は、物質量のSI単位であり、1モルには、厳密に6.02214076×1023 の要素粒子が含まれる。この数は、アボガドロ定数 NA を単位 mol−1で表したときの数値であり、アボガドロ数と呼ばれる。

系の物質量(記号は n)は、特定された要素粒子の数の尺度である。要素粒子は、原子、分子、イオン、電子、その他の粒子、あるいは、粒子の集合体のいずれであってもよい。

皆さんはこれを理解できていたでしょうか?なんとなく使っていた人もいるのではないでしょうか。

小さな理解不足は、後から大きな障壁となります。

公式や原理の意味が理解できないときには、必ずその場で先生や友人に聞くようにしましょう。

聞かれた側も説明する際に理解が深まるので、聞くことを躊躇する必要はありません!

また、自らの復習もしっかり行ってください。

学んだ日のうちに復習することがポイントです。

問題を繰り返し解く

公式や原理を理解した後は、問題演習を繰り返し行いましょう。

初めは簡単な問題で構いません。問題を解く感覚を身に付けてください。

簡単な問題を解けるようになったら、徐々にレベルアップしていきましょう。

多くの人は問題演習のために問題集を買うと思いますが、その種類は問いません。

学校で配布されたものでもいいですし、自分で選んで買ったものでもいいです。

もし迷っている方は、以下におすすめの問題集を載せるので参考にしてみてください。


問題のパターンを分類する

理論化学で出題される問題には、数学と同じように、パターンがあります。

それぞれのパターンを理解すれば、少ない暗記量で多くの問題を解けるようになります。

また、自分で問題を分類できるということは、その問題の本質を見抜けているということです。

これは「卵が先か、鶏が先か」みたいな話ですが、問題を分類できればその問題を解けますし、問題が解ければその問題を分類できます。

初めは難しいかもしれませんが、その問題が何を問うているのかを意識しながら問題演習に取り組んでみてください。

無機化学の勉強法

無機化学を表す画像

無機化学は暗記量が多い分野です。

原子や化合物の色や性質を覚える必要があります。

もちろん、これらの色などには必ず理由があり、それを理解すれば覚えることが減ります。

しかし、それらのほとんどは大学化学の内容です。

高校化学の知識では、覚える方が圧倒的に早いです。(他の教科も勉強しなければいけないので…)

関連付けて覚える

覚えるときの鉄則は「関連付け」です。

これは理論化学で紹介した問題の分類と似ています。

関連のある内容をまとめることによって、覚えることを減らします。

無機化学の関連付けに関しては、全く関係が無いもの同士でも構いません。

関係あるもの同士で関連付けるに越したことはありませんが、最初は関係なくても覚えられれば何でもいいです。

図やイラストを活用する

色が出てくるので、文字だけでは覚えづらいです。

図やイラストを用いて視覚情報を増やしましょう。

画像と文字が結びつけば、暗記はグッと簡単になります。

インプットとアウトプットを繰り返す

暗記と言っても、インプットだけでは覚えられません。

アウトプットを意識していきましょう。

方法は何でもいいです。

短い時間で身に付けたいのであれば、実際に問題を解きながら覚えるのが最短です。

他にも効率的な暗記法を紹介している記事があるので、ぜひご覧ください!

有機化学の勉強法

有機化学を表す画像

有機化学は苦手な人が多いのではないでしょうか。

炭素がひたすら並び、少しの違いで名前や性質が大きく異なってくる有機化学は簡単とは言えません。

ただ、好きな人はとことん好きな分野でもあります。

この分野を得意にすることができれば、化学で最も実践的な力が身に付きます。

有機化学が何かを理解する

有機化学を漠然と捉えていませんか?

まずは有機化学は何かということを理解することが大切です。

有機化学とは、簡単に言うと「炭素化合物の製法や構造、性質などを研究する学問」です。

したがって、有機化学の主役は炭素です。

ここを理解するところから始めましょう!

官能基の性質を覚える

有機化合物の性質は官能基によって決まると言っても過言ではありません。

それぞれの官能基の性質を覚えることで、有機化合物の性質を推定することが可能となります。

高校化学で登場する官能基は多くありません。

教科書や資料集に載っている官能基をマスターしてください。

似ている官能基もありますが、性質は全く異なる場合があるので注意が必要です。

構造決定をマスターする

有機化学の醍醐味は構造決定です。

総合的な力を問うことができるため、試験でも出題されやすい問題です。

構造決定は大学の有機化学研究でも頻繁に使います。

試験の紙上の話ではなく、実際に使うことがあるのです。

これは高校の勉強では非常に珍しいこととも言えます。

ぜひ将来も使える知識を積極的に身に付けてください。