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【高校化学】化学結合の種類・特徴まとめ【イオン結合・共有結合・金属結合・ファンデルワールス結合・水素結合】

「化学結合」という言葉は誰もが知っているであろう。

しかし、その分類や特徴を正確に説明せよと言われると、怪しくなる人が多い。

化学を学ぶ上で、化学結合は最も基本的な領域であり、ここを疎かにすると高校・大学とずっと苦しむことになる。

だが、この記事を見ればその心配はいらない。この1記事で化学結合の基礎的な知識はマスターできるようになっている。(高校化学を対象)

今日で化学結合の知識を身に付け、明日からは友達に説明できるようになろう。

化学結合とは?

同種あるいは異種の原子が分子や結晶を形成する際、それらの分子間には力の結びつきが生じ、これを化学結合 (chemical bond) という。

化学結合には、イオン結合、共有結合、金属結合、ファンデルワールス結合、水素結合などがある。

これらは、それぞれ結合の強さが示す結合エネルギーが異なる。

化学結合の種類

先述の通り、化学結合はイオン結合、共有結合、金属結合、ファンデルワールス結合、水素結合に大きく分類される。

イオン結合 (ionic bond)

定義:一つの原子から別の原子へ電子が移動して生じた陽イオンと陰イオンの静電力による結合

※以降も同じであるが、定義に関しては言葉が多少難しくなるときがある。したがって、ここで分からなかったとしても、気にしなくてよい。

塩化ナトリウム NaCl を例として話を進める。

塩化ナトリウムは、Na+とClの静電力によって結合している。

このように、イオン結合からなる化合物は、〇+と△のように陽イオンと陰イオンとに分けて描くことができる。

イオン結合には方向性はなく、静電力は結晶のどの方向にも一様に働いている。

イオン結合からなる化合物をイオン結晶 (ionic crystal) といい、金属酸化物や金属水酸化物など、その数は非常に多い。

共有結合 (covalent bond)

定義:各原子が電子を出し合って電子対をつくり、その電子対を共有することによってできる結合

共有結合は、ある原子から別のイオンに電子が移動するイオン結合とは異なり、各原子が出し合った電子を共有することによって形成される結合である。

たとえば水素原子の場合、1s軌道に1つの不対電子を持っているので、2個の水素原子が近づくと、電子対ができて水素分子 H2 となる。

共有結合には方向性がある。これが共有結合の特色である。

共有結合からなる化合物の中には、ダイヤモンドのように、炭素原子同士がすべて共有結合で結びつき、規則正しく配列した結晶を形成しているものも多い。

共有結合からなる分子としては、H2、O2、N2、Cl2のような同種原子からなる等核分子や、NH3、H2O、HF、CH4のような異種の原子からなる異核分子など、その数は非常に多い。

また、共有結合の中には、一方の原子のみから電子対が供与されてできる結合もあり、これを配位結合 (coordinate bond) という。

金属結合 (metallic bond)

定義:金属原子同士の間にできる結合

金属単体の原子は、金属結合によって結びついている。

ナトリウム金属の場合、Na+が結晶内に規則正しく配列し、その間に電子eが介在することによって、金属結合をなしている。

この電子eは、特定のNa+と結合することなく、自由に運動しているので、自由電子 (free electron) と呼ばれる。

ファンデルワールス結合 (van der Waals bond)

定義:分子間力によって結びついている結合

分子同士の間に働く力を分子間力 (intermolecular force) といい、その一種としてファンデルワールス力がある。

そのファンデルワールス力によって結びついている結合を、ファンデルワールス結合という。

分子間力は、分子自身が極性をもつことにより弱い静電的な相互作用が分子間に生じることによる。

分子間力で結合している結晶を、分子結晶 (molecular crystal) という。

分子間力は、分子間の距離が小さいときに働く。

そのため、比較的分子間の距離が大きい気体分子間ではほとんど働かず、液体や固体になるとその力は大きくなる。

分子間力は、同じ種類の分子であれば、分子量が大きいほど大きく、その沸点や融点は高くなる。

たとえば、17族のハロゲン分子で比較すると、分子量はI2>Br2>Cl2の順であり、分子間力の大きさの関係もこれと等しくなる。

実際に、常温でI2は固体、Br2は液体、Cl2は気体である。

ファンデルワールス結合は、イオン結合や共有結合に比べて、結合力がはるかに小さいので、結晶は壊れやすい。

そのため、分子結晶であるドライアイス (CO2) は、すぐに気化して気体の二酸化炭素になる。

水素結合 (hydrogen bond)

定義:水素原子がつくる結合

水分子のO原子は、2つのH原子と共有結合で結びついている。

しかし、水分子が関わっている結合はこれだけではない。

水分子同士も、H原子によって結合している。これが水素結合である。

これは、表面張力の原因でもある。

水素結合は、イオン結合や共有結合より弱いが、ファンデルワールス結合よりは強い。

化学結合の強さの比較

これまでに紹介してきた化学結合を結合の強さによって並べると、次の通りとなる。

\[
共有結合>イオン結合>金属結合>>水素結合>ファンデルワールス結合
\]

分子間力である水素結合やファンデルワールス結合は、他の結合に比べ圧倒的に弱い。

まとめ

大学で学ぶ無機化学の知識も含めつつ、高校化学の化学結合について紹介しました。

この記事を複数回見て、化学結合をマスターしましょう。