水素に関する情報をまとめました。
基本情報
和名 | 水素 |
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英名 | Hydrogen |
語源 | ギリシャ語 「水(hydor)+源(gennao)」 |
元素記号 | H |
原子量 | 1.008 |
常温(25℃)での状態 | 気体 |
色 | 無色 |
臭い | 無臭 |
密度 | 0.08988 g L-1 (気体, 0℃) |
融点 | -259.14℃ |
沸点 | -252.87℃ |
発見者 | ヘンリー・キャベンディッシュ(イギリス, 1766年) |
名前の由来
水の主成分が水素であることから、フランス語で「水を生み出すもの」という意味の”hydrogène “と命名されました。英語では、”hydrogen”です。
“hydro-“が「水」を表します。
hydrolysis 「加水分解」
hydride 「水素化物」
“-gen”には、「~を生み出すもの」という意味があります。元素名ではよく用いられます。
水素の歴史
水素は1766年にイギリスの物理学者キャベンディッシュ(1731-1810)によって発見された。亜鉛や鉄、スズに硫酸か塩酸を加えると気体が発生した。これが空気中で燃えて水になるため「燃える気体」と名付けた。この気体は空気の11分の1の重さがあると発表した。それから約20年後の1783年にフランスの化学者アントワーヌ・ラボアジェ(1743-1794)によって「水素」と名付けられる。ギリシャ語の”水を生じるもの”からフランス語でhydrogèneとした。英語ではhydrogenとなった。
キャベンディッシュは実験により水素を気体として分離させたことから、水素の発見者とされている。しかし、1671年にアイルランドの化学者・物理学者ロバート・ボイルが「鉄と希硝酸を反応させて生じた気体が燃える(可燃性がある)」という記録を残している。
生命に欠かせない元素
水素は宇宙誕生後最初にできた元素で、宇宙に広く分布している。地球上でも酸素、ケイ素に次いで三番目に多く、その多くは水分子として存在している。
そんな水素原子は私たちの生命と深いかかわりを持っている。DNAである。DNAは遺伝情報の継承や発現を担う高分子生体物質である。そのDNAは二本のリボンが絡み合った二重らせん構造を持っている。そのリボンから突き出た塩基(アデニン、グアニン、シトシン、チミン)を結合しているのが水素である。すなわち、DNAの二重らせん構造は水素によって安定している。その一方で水素結合の結合力は非常に弱い。そのため、遺伝情報の複製が容易に行える。
また、医療機器として使われているMRI(磁気共鳴画像)も、体内にある水素原子を利用した装置である。
クリーンエネルギーとしての可能性
水素は空気中にも多く存在する。また、水素は比較的容易に生成できる。そのため、現在エネルギー源の多くを占めている石油などのように、枯渇の心配をする必要がない。
水素はエネルギーとして使用されると、水に変わる。水は環境に一切悪影響を及ぼさない。地球温暖化などの観点から、二酸化炭素が問題となっているが、水素はその問題を解決できるキーになるかもしれない。