野崎-檜山-岸反応は、アルデヒドとハロゲン化アリルまたはビニルの反応からアルコールを生成するニッケル/クロムカップリング反応である。1977年の発表では、檜山為次郎と野崎仁が、塩化クロムを水素化リチウムアルミニウムで還元し、ベンズアルデヒドと塩化アリルを加えたクロム(II)塩溶液を調製したことを報告している。
概要
- アルコールを生成するニッケル/クロムカップリング反応
- グリニャール反応と比較して、この反応はアルデヒドに対して非常に選択的であり、ケトン、エステル、アミド、ニトリルなど様々な官能基に対して大きな寛容性を持っている
- 中型の環状化合物の合成に有用な方法
- 塩化ニッケル(II)が助触媒として使用される
歴史
反応機構
ニッケルは、反応に少量のニッケル塩を加えると実際の触媒となる。塩化ニッケル(II)は、まず2当量の塩化クロム(II)(犠牲触媒として)でニッケル(0)に還元され、塩化クロム(III)が残される。次に、炭素-ハロゲン化物結合にニッケルを酸化的に付加してアルケニルニッケルR-Ni(II)-X中間体を形成し、次にトランスタール化工程でNiXをCr(III)基と交換してアルケニルクロムR-Cr(III)-X中間体にし、Ni(II)を再生する。この種はカルボニル基と求核付加反応する。
実験手順
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実験のコツ
アルケンとジエンの直接カップリングは副反応であるため、ニッケルの使用量は少なくする必要がある。
応用例
“Total Syntheses of Strasseriolide A and B, Antimalarial Macrolide Natural Products”
Salituro, Leah J.; Pazienza, Jessica E.; Rychnovsky, Scott D., Organic letters. 2022, 24, 5, 1190–1194.
参考文献
関連書籍
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