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【元素図鑑】パラジウム Pd【銀歯にも入っている?!】

パラジウムに関する情報をまとめました。

元素図鑑

パラジウムの基本情報

和名 パラジウム
英名 Palladium
語源 小惑星 (Pallas)
元素記号 Pd
原子番号 46
原子量 106.4
常温(25℃)での状態 固体(金属)
銀白色
臭い
密度 12.020 g/cm3(20℃)
融点 1552℃
沸点 2964℃
発見者 ウォラストン(イギリス)[1803年]
含有鉱物 砂白金

パラジウムの主な特徴

  • 原子番号46の遷移金属元素で、周期表第10族に属する貴金属
  • 銀白色の金属光沢をもち、優れた延性と展性を有する
  • 常温常圧で水素を大量に吸収する性質があり、水素分離膜や燃料電池の電極材料としても重要
  • 有機合成化学ではクロスカップリング反応などの触媒として多用され、現代化学における中核的金属の一つとされている

パラジウムの歴史

発見

パラジウムは1803年、イギリスの化学者ウィリアム・ハイド・ウォラストン(William Hyde Wollaston)によって発見されました。

当時、天然の白金鉱石を王水で溶解・分析する中で、既知の白金族元素とは異なる新たな金属成分が存在することに気づき、これを単離しました。

名前の由来

発見と同じ年に観測された小惑星「パラス(Pallas)」にちなみ、「パラジウム(Palladium)」と命名されました。

白金族元素の中では比較的軽く、加工性に富むこともあり、ジュエリーや工業材料への応用が拡大していきました。

パラジウムの主な用途

パラジウムは以下のような分野で広く用いられています:

  • 有機合成触媒: スズ・ホウ素・亜鉛などとのクロスカップリング反応(Suzuki–MiyauraHeckStille反応など)
  • 排ガス浄化触媒: 自動車の排ガス触媒に使用され、一酸化炭素やNOₓ、炭化水素を浄化
  • 水素吸蔵材料: Pdは常温でも大量の水素を吸蔵・放出可能で、燃料電池やガスセンサに利用
  • 電子部品: 多層セラミックコンデンサ(MLCC)などで、導体材料や電極材料に使用
  • 歯科材料・ジュエリー: 耐食性と金属アレルギーの少なさから歯科合金や宝飾品に使用

パラジウムの生成方法

パラジウムは以下のような鉱石から得られます:

  • 銅・ニッケル鉱石: 精錬過程で副産物として得られる(主にロシア・南アフリカ・カナダ)
  • 天然白金鉱: 白金族元素(PGM)として共存

抽出は主に湿式製錬や溶媒抽出、イオン交換を用いて行われます。精製後は粉末、スポンジ、または金属箔・ワイヤーとして供給されます。

パラジウムを含む化合物

パラジウムは主に+2価、一部で+0価・+4価の状態をとり、以下のような化合物が知られています:

  • PdCl₂(塩化パラジウム(II)): 触媒前駆体として広く使用。水溶性あり
  • Pd(PPh₃)₄: 有機リン配位子との錯体。クロスカップリング反応の代表的なPd(0)触媒
  • Pd(acac)₂: 有機金属反応に利用される錯体。酸素に安定
  • PdO: 酸化パラジウム。固体触媒や水素化触媒に使用される

パラジウムに関わる研究事例

パラジウムに関する研究は極めて多岐にわたり、以下の分野で注目されています:

  • 有機合成触媒: クロスカップリング触媒の高活性化・再使用可能化(リガンド設計、固体支持など)
  • 水素エネルギー技術: Pd薄膜を用いた高選択的水素分離膜の開発
  • 環境科学: 排ガス触媒の性能向上とPdリサイクル技術
  • ナノテクノロジー: Pdナノ粒子による電子デバイス応用・電極触媒設計
  • 医療材料: 抗菌性やアレルギー耐性に注目したPd合金の生体材料応用

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