ケイ素に関する情報をまとめました。
ケイ素の基本情報
和名 | ケイ素 |
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英名 | Silicon |
語源 | ラテン語「硬い石, 火打石(silex)」 |
元素記号 | Si |
原子量 | 28.09 |
常温(25℃)での状態 | 固体 |
色 | 灰白色 |
臭い | ー |
密度 | 2.329 g/cm3 (20℃) |
融点 | 1412℃ |
沸点 | 3266℃ |
発見者 | ベルセーリウス(スウェーデン)[1823年] |
含有鉱物 | 燧石 |
ケイ素の主な特徴
- 典型的な半金属元素で、周期表第14族に属す
- 地殻中の存在量は酸素に次いで2番目に多く、主に二酸化ケイ素(SiO₂)やケイ酸塩鉱物として存在している
- 自然界では単体では存在せず、化合物の形で広く分布している
- 金属光沢を持つ灰色の結晶で、電気伝導性は低いが、不純物添加によって導電性を制御できるため、半導体材料として極めて重要
ケイ素の歴史
発見
ケイ素は1823年、スウェーデンの化学者イェンス・ベルセリウスによって、フッ化ケイ素(SiF₄)と金属カリウムとの反応によって単離されました。
当初は「シリシウム(silicium)」と命名されましたが、後に「silicon」という英語名が定着しました。
名前の由来
ケイ素(Silicon)の語源は、ラテン語の「silex(火打石)」に由来します。これは、天然の二酸化ケイ素である石英が火打石として使われたことにちなみます。
ケイ素の主な用途
ケイ素はその化学的安定性と電気的特性から、電子材料・建築材料・化学材料として幅広く利用されています:
- 半導体チップ: 集積回路、トランジスタなどの基盤材料(Si単結晶)
- 太陽電池: 単結晶・多結晶ケイ素を用いた高効率光電変換素子
- ガラス・セラミックス: SiO₂はガラスの主成分であり、耐熱性に優れる
- シリコーン: ケイ素系高分子で、医療、化粧品、接着剤に利用
- 合金添加材: アルミニウムや鋼へのSi添加で強度・耐食性向上
ケイ素の生成方法
ケイ素は天然鉱石中のSiO₂から以下の手順で生成されます:
- 金属ケイ素(工業用): SiO₂を電気炉でコークスと反応させて還元(炭素還元法)
- 高純度ケイ素(電子材料用): トリクロロシラン(SiHCl₃)を使ったゾーンメルト法やチョクラルスキー法で単結晶を成長
ケイ素を含む化合物
ケイ素は安定な酸化物や有機ケイ素化合物を形成し、多様な用途があります:
- 二酸化ケイ素(SiO₂): 石英、ガラス、珪砂など。安定な無機化合物
- シラン(SiH₄): 揮発性が高く、半導体製造に利用
- シリコーン(ポリジメチルシロキサンなど): ケイ素-酸素骨格を持つ高分子化合物
- ケイ酸塩(Na₂SiO₃など): 洗剤、セメントなどに使用
- ケイ素カーバイド(SiC): 超硬材料、研磨剤、パワー半導体用
ケイ素に関わる研究事例
ケイ素は材料科学・電子工学・地球科学の分野で広範に研究されています:
- シリコンナノワイヤ: 高感度センサー・ナノデバイスへの応用
- Siベース量子コンピュータ: スピン量子ビットへの利用研究
- 低消費電力CMOSトランジスタ: SiGeチャネルやFinFET構造の最適化
- 地殻変動解析: 地球内部のSiO₂変性に関する高圧実験
- パワーデバイス: SiCとの比較研究における限界電圧と損失評価
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