アルミニウムに関する情報をまとめました。
アルミニウムの基本情報
和名 | アルミニウム |
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英名 | Aluminium (Aluminum) |
語源 | ギリシャ語・ローマ語「ミョウバン(alumen)」 |
元素記号 | Al |
原子量 | 26.98 |
常温(25℃)での状態 | 固体(金属) |
色 | 銀白色 |
臭い | ー |
密度 | 2.698 g/cm3 (20℃) |
融点 | 660.37℃ |
沸点 | 2520℃ |
発見者 | デービー(イギリス, 1807年) |
含有鉱物 | ミョウバン石 |
アルミニウムの主な特徴
- 軽金属元素で、銀白色の柔らかい金属
- 比重は約2.7と軽く、耐食性、導電性、加工性に優れ、現代の産業や日常生活において極めて重要な材料
- 空気中では表面に緻密な酸化皮膜(Al2O3)を自然に形成し、内部の腐食を防ぐ
- 電気や熱をよく通すため、建材・電線・調理器具・包装材料など多岐にわたって活用されてる
アルミニウムの歴史
発見
アルミニウム化合物は古くから知られており、古代ローマでは「明礬(ミョウバン)」として利用されていました。
単体のアルミニウムは1825年、デンマークのハンス・クリスチャン・エルステッドが初めて単離に成功し、
その後フリードリッヒ・ヴェーラーが純度の高い金属を得ました。
しかし、19世紀中頃までは非常に高価な金属で、「銀よりも貴重」とされていました。
名前の由来
「アルミニウム(Aluminium)」という名称は、ラテン語の「alumen(明礬)」に由来します。
イギリス英語では「aluminium」、アメリカ英語では「aluminum」という表記が使われています。
アルミニウムの主な用途
アルミニウムはその軽さ・耐食性・加工性を活かし、以下の分野で広く使用されています:
- 建築資材: サッシ、外装材、屋根材など
- 輸送機器: 航空機、電車、自動車部品の軽量化材料として
- 電気機器: 電線、冷却板、コンデンサーなど電気・熱伝導用途
- 包装材: アルミホイル、缶、レトルトパウチなど
- 調理器具: 鍋、フライパン、炊飯器の内釜など
アルミニウムの生成方法
アルミニウムは自然界に豊富に存在しますが、単体では存在せず、主にボーキサイトから以下の工程で製造されます:
- バイヤー法: ボーキサイトから水酸化ナトリウムでアルミナ(Al2O3)を抽出
- ホール・エルー法: アルミナを氷晶石(Na3AlF6)中に溶かし、高温電解して金属Alを得る
アルミニウムを含む化合物
アルミニウムは主に+3価のイオン(Al3+)として安定した化合物を多数形成します:
- 酸化アルミニウム(Al2O3): 耐火性・耐摩耗性に優れたセラミック材料、人工サファイア
- 硫酸アルミニウム(Al2(SO4)3): 水処理、紙の製造、明礬(ミョウバン)として使用
- 塩化アルミニウム(AlCl3): ルイス酸触媒としてフリーデル・クラフツ反応などに使用
- アルミニウム合金: Al-Cu, Al-Mg, Al-Si系など航空・自動車用の強化材料
アルミニウムに関わる研究事例
アルミニウムは工業だけでなく、材料科学や環境工学、生体応用などの分野でも研究が進められています:
- 高強度・耐腐食性アルミ合金の開発: 航空・宇宙・自動車産業向けの次世代材料
- アルミニウム空気電池: 軽量・高エネルギー密度の電源として期待される新技術
- アルミニウムリサイクル: 環境負荷の小さい再生プロセスの確立と応用
- 生体影響研究: 神経系・腎臓系への影響評価、アルツハイマー病との関連検討
- ナノ構造酸化アルミニウム: 触媒担体、光学材料、医療材料としての応用研究
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