今回紹介する文献は、ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘンのHendrik Zipseらによる研究です。
塩基触媒によるシリル保護の反応速度の増大を達成しています。
文献情報
Pascal Patschinski; Cong Zhang; Hendrik Zipse*, J. Org. Chem., 2014, 79, 17, 8348–8357. DOI: 10.1021/jo5016568
概要
塩基触媒による一級、二級、三級アルコールのシリル化の反応速度は、溶媒と触媒の選択に大きく依存する。ジメチルホルムアミド(DMF)のようなルイス塩基性溶媒では、クロロホルムやジクロロメタンと比べて反応が著しく速くなる。DMAP) やPPYなどのルイス塩基触媒の添加効果はDMFに比べて無極性溶媒で非常に大きくなる。完全な変換反応を行うには、トリエチルアミンのような補助塩基の存在が必要である。
本文のポイント
ルイス塩基触媒としてDMAPを採用
これまでヒドロキシ基のシリル保護には、DMF溶媒と塩基の組み合わせが多く報告されてきた。
筆者らは、ルイス塩基触媒としてDMAPを採用することで、新たな可能性を見出した。
補助塩基としてはDABCOが最適
補助塩基として、TOA、DIPEA、DABCO、Proton Sponge、NMMを検討した結果、DABCOを用いたとき最も大きい反応速度を示した。