ハンスディーカー反応は、カルボン酸の銀塩とハロゲンを反応させて有機ハロゲン化合物を生成する反応である。ボロディン反応、フンスディッカー・ボロディン反応とも呼ばれる
概要
- カルボン酸の銀(I)塩は、ハロゲンと反応して不安定な中間体を生成し、熱的に容易に脱炭酸してアルキルハライドを生成する
- C-C結合のホモリシスとラジカル連鎖機構が関与していると考えられている
歴史
1861年、アレクサンドル・ボロディンが酢酸銀(CH3CO2Ag)から臭化メチル(CH3Br)を調製した報告で初めて実証された。その直後、Adolf Liebenの研究室で脂肪酸の分解に応用された。しかし、1930年代にこの方法を一般的な方法へと発展させたCläre Hunsdieckerとその夫Heinz Hunsdieckerにちなんで命名された。
反応機構
ハンスディーカー反応の反応機構は、有機ラジカル中間体が関与していると考えられている。銀塩は臭素と速やかに反応し、アシルハイドロハライト中間体を形成する。ジラジカル対の形成によりラジカル脱炭酸が起こり、ジラジカル対が形成され、これが速やかに再結合して目的の有機ハライドを形成する。得られるハロゲン化物の反応性は、1級>2級>3級である。
実験手順
実験のコツ
発展
応用例
参考文献
1) Hunsdiecker, H.; Hunsdiecker, C. Ber, 1942, 75, 291. DOI:10.1002/cber.19420750309
2) Borodin, A. Ann. 1861, 119, 121. DOI: 10.1002/jlac.18611190113
3) Johnson, R. G.; Ingham, R. K. Chem. Rev. 1956, 56, 219. DOI: 10.1021/cr50008a002
4) Wilson, C. V. Org. React. 1957, 9, 341.
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