SCIENCE

アシロイン縮合【Acyloin Condensation】

アシロイン縮合

アシロイン (acyloin) とは、α-ヒドロキシケトンの慣用名である。

アシロイン縮合は、アシロインを用いて縮合するのではなく、アシロインを合成する手法である。

概要

アシロイン縮合の概要

アシロイン縮合とは、2分子の脂肪族エステルを熱キシレン中、高度に分散した融解ナトリウム金属で処理することによってアシロインを得る手法である。

生成したアシロインのジナトリウム誘導体を酸性にすると、合成中間体として有用なアシロインが遊離する。

脂肪族のモノエステルは対称化合物を与えるが、ジエステルは環状アシロインを与える。

分子内アシロイン縮合は10員環以上の閉環反応として最も優れた手法の一つである。今までに34員環まで合成されている。

芳香族アシロインの合成には、2つの芳香族アルデヒド間のベンゾイン縮合が適用される。

アシロインやそのアニオンは酸化されやすいため、アシロイン縮合は不活性ガス雰囲気下で行われる。

小員環を合成する場合、TMSClを共存させて超音波を使用すると収率が向上する。これは、TMSClを加えることで、β-脱離、Claisen縮合、Dieckmann縮合のような塩基触媒の副反応を抑えることができるためである。

生成したビスシロキシアルケンは単離するか、加水分解や加アルコール分解によってアシロインに変換する。

歴史

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反応機構

アシロイン縮合の反応機構は2つ提案されています。

実験手順

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応用例

J. Salaunによるアシロイン縮合の改良

J. Salaunらは、超音波により促進されるアシロイン縮合の研究を行った。

彼らは、1,4-、1,5-、1,6-ジエステルのアシロインカップリングにより、四、五、六員環生成物が得られることを見出した。

β-クロロエステルがTMSCl存在下に三員環に環化する反応では、当初は高度に分散したナトリウムを必要としたが、超音波による反応活性化により改良された。

S. Sieburthによるトリシクロデカン基本骨格の合成

Anopterus種のジテルペンアルカロイドは、アノプテリン (anopterine) を主成分とし、高い抗腫瘍活性を示す。

このアルカロイドのすべてがトリシクロ[3.3.21,4.0]デカンを基本骨格を含んでいる。

S. Sieburthらは、この三員環骨格の短工程構築にアシロイン縮合を鍵反応として用いた。

アノプテリンアノプテリン

D. J. Burnellによる二環性ジケトンの合成

D. J. Burnellらは、アセタールにつながった環状アシロインをLewis酸により促進されるジェミナルアシル化に付すことによって、二環性ジケトン (bicyclic diketones) を合成した。

ここで必要なビスシロキシアルケンは、通常のアシロイン縮合により得られる。

二環性ジケトン二環性ジケトン

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