SCIENCE

【元素図鑑】水銀 Hg【常温・常圧で唯一液体の金属】

水銀はその独特な物理的および化学的性質から、多くの用途で利用されてきましたが、毒性の高さから使用が制限されつつあります。環境や健康への影響を考慮し、水銀の使用は慎重に管理される必要があります。代替材料の開発や環境保護の観点から、今後も水銀使用の削減が進むと考えられます。

元素図鑑

基本情報

和名 水銀
英名 Mercury
語源 ローマ神話の商売の神メルクリウス (Mercurius), 水星 (Mercury)
元素記号 Hg
原子番号 80
原子量 200.6
常温(25℃)での状態 液体(金属)
銀白色
密度 13.546 g/cm3(液体, 20℃)
融点 -38.87℃
沸点 356.58℃
発見者 古来より知られている
含有鉱物 自然水銀, 辰砂

歴史

発見

水銀は古代から知られている元素で、古代エジプトや中国、インドなどで利用されていました。中世ヨーロッパでは、錬金術師が「賢者の石」を作るための材料として水銀を研究していました。元素記号 “Hg” はラテン語の “Hydrargyrum”(「水の銀」を意味する)に由来しています。

名前の由来

ローマ神話における商売の神「メルクリウス」(ギリシャ神話では「ヘルメス」)に因んで名付けられました。

主な用途

水銀は多様な用途で利用されていますが、その毒性のため、使用は減少しています。

温度計・気圧計

水銀は広い温度範囲で液体状態にあるため、正確な温度計や気圧計に使用されてきました。

蛍光灯

水銀蒸気は放電により紫外線を発生させ、蛍光体を励起して光を放つため、蛍光灯や水銀灯に使用されます。

金の採取

水銀はアマルガムを形成する性質があるため、金の採取に利用されます。金と水銀のアマルガムを加熱して水銀を蒸発させ、純金を得る方法が使われています。

電池

水銀は一部のボタン電池に使用されていましたが、環境問題から代替品が用いられるようになっています。

生成方法

更新をお待ちください。

化合物

塩化水銀(I)(甘汞)(Hg2Cl2)

塩化水銀(II)(昇汞)(HgCl2)

酸化水銀 (HgO)

メチル水銀 (CH3HgX)

雷酸水銀 (Hg(ONC)2)

硫化水銀(I) (Hg2S)

硫化水銀(II) (HgS)

辰砂(硫化水銀(II)の鉱物)

主な特徴

  • 常温で液体状態にある唯一の金属
  • 銀白色の光沢があり、非常に高い密度を持つ
  • 化学的に比較的安定で、酸化されにくい
  • 高温でハロゲンと反応して水銀ハロゲン化物を形成する
  • +1および+2の酸化状態をとる

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