これはPart3にあたる記事です。
もしまだPart1,2を見ていない場合は先にそちらを下記のリンクから見ることをおすすめします。
今回は日本語の難しさを主語と動詞の面から考えていきます。
日本語の主語はすごい
日本語の主語は変わったところがたくさんあります。
人を表す主語の種類が多すぎる
日本語では人を表す主語の種類が山のようにあります。
たしかになかなか使わないものも多いですが、少し紹介してみます。
思いつくものをすべて書き出そうと思ったのですが、多すぎるので一人称と二人称はそれぞれ10個ずつにします。
一人称
- 私(わたし)
- 僕(ぼく)
- 俺(おれ)
- 自分(じぶん)
- わし
- 当方(とうほう)
- 吾輩(わがはい)
- 某(それがし)
- 我(われ)
- 己(おのれ)
一人称は種類が一番多いと思います。
そして、登場回数が多いです。
二人称
- あなた
- 君(きみ)
- そちら
- お前(おまえ)
- 自分(じぶん)
- 僕(ぼく)
- 貴様(きさま)
- 汝(なんじ)
- お主(おぬし)
- 此方(こなた)
二人称も多いですね。
難しいのは、一人称にも登場した「自分」や「僕」も使われることがあるということです。
外国人からすると、意味不明でしょう。
三人称
- 彼(かれ)、彼女(かのじょ)
- こいつ
- そいつ
- あいつ
- 奴(やつ)
三人称は、一人称や二人称と比べて種類は少ないです。
おそらく固有名詞で呼ぶことが多いからだと思います。
それでも5種類以上はあります。
使い分けが必要
たくさんの種類があることを紹介してきましたが、どれを使ってもいいというわけではありません。
相手や場面などにより、使い分ける必要があります。
英語であればどんな相手であれ、自分は「I」、相手は「You」です。
他の多くの言語でも人称代名詞の使い分けはしません。
ちなみに今まで紹介してきたようなものを人称代名詞と言います。
主語が消える
日本語の大きな特徴であり、大きな問題点です。
日本語は主語が消えるんです。
ピンとこない方は普段の会話を思い出してみてください。
毎回「私は~」とか「君は~」と言っていますか?
おそらく言ってないでしょう。
言っていたら逆に不自然な感じになると思います。
小説でも、全ての文で行動の主を書いていたら、それは駄作になるでしょう。
しかし、これが外国人にとっては大問題です。
もしあなたが人称代名詞のない英語の長文を目の前に出されたら読もうと思うでしょうか?
読んだとして、内容を読み取れるでしょうか?
相当な熟練者にならないと無理でしょう。
たしかに外国語でも省略されることはありますが、その頻度が全然違います。
それに、外国語で省略されるときは、確実に行動の主を断定できるときです。
気付かないうちに活用されている日本語の動詞
英語はなんで時制で活用が変わるんだよ!って思ったことのある人は多いですよね。
安心してください。日本語も相当活用されています。
- 未然形
- 連用形
- 終止形
- 連体形
- 仮定形
- 命令形
の6種類です。
しかも活用の種類は、
- 五段活用
- 上一段活用
- 下一段活用
- カ行変格活用
- サ行変格活用
の5種類があります。
すべて小学校で習ったはずですよね。
私たちは意識しなくても自然に使えます。
しかし、これも外国人にとっては難しいでしょう。
もちろん動詞の活用は外国語にも多いので、日本語が特別に多いとは言い難いです。
ですが、活用の仕方が他の言語とは少し異なる気がします。
よくある活用の仕方は時制や行動主の性別、数によるものです。
それに比べて日本語は後ろに付く語によって活用が決まります。
外国人にこの感覚はあまりないかもしれません。
最後に
私たちが意識しないで使っていることでも、外国人からしたら難しいことはたくさんあります。
これはどの外国語にも起こることです。
しかし、日本語は他言語と変わっているところが多すぎるのです。
こんなに難しい日本語を簡単に使いこなしている日本人は、控えめに言って天才だと思います。