有機化学を完全攻略!基礎を押さえる1ページ
高校化学では、有機化学がおろそかにされがちです。
よっぽど優秀な進学校でなければ、入試直前に詰め込まれます。
しかも、そのほとんどは暗記科目のように扱われます。
しかし、大学の有機化学はそれだと通用しません。
大学の教員はいきなり矢印を描いて反応を説明し始めます。
多くの大学1年生はその段階でついていけなくなります。
有機化学は暗記科目ではありません。
この記事を通して、有機化学の原理・原則を学び、有機化学をマスターしましょう。
- 本記事でできること
- 最優先で覚える結論
- 記事一覧
- 第1章 結合と構造
- 第2章 極性共有結合
- 第3章 アルカン
- 第4章 シクロアルカン
- 第5章 不斉炭素の立体化学
- 第6章 有機反応の基礎
- 第7章 アルケン:構造と反応性
- 第8章 アルケン:反応と合成
- 第9章 アルキン
- 第10章 有機ハロゲン化物
- 第11章 ハロゲン化アルキルの反応
- 第12章 構造決定:マススペクトルとIR
- 第13章 構造決定:NMR
- 第14章 共役化合物とUV-Vis
- 第15章 ベンゼンと芳香族性
- 第16章 ベンゼンの化学
- 第17章 アルコールとフェノール
- 第18章 エーテルとエポキシド
- 第19章 アルデヒドとケトン
- 第20章 カルボン酸とニトリル
- 第21章 カルボン酸の派生
- 第22章 カルボニルα位の反応
- 第23章 縮合反応
- 第24章 アミンとヘテロ環
- 第25章 生体分子:炭水化物
- 第26章 生体分子:アミノ酸・ペプチド・タンパク質
- 第27章 生体分子:脂質
- 第28章 生体分子:核酸
- 第29章 代謝経路の有機化学
- 第30章 ペリ環状反応
- 第31章 高分子化学
- 学習ロードマップ
- よくあるミスと対策
- チェック問題(理解度テスト)
- 次に読むべきページ
本記事でできること
この記事では、大学(学部)で必要な有機化学の知識をまとめています。
基本的に気になるところから見てもらって構いません。
迷ったら上から順番に見ていってください。
最後まで見ると、大学の有機化学はマスターできています。
こんな人におすすめ
- 反応の機構(矢印)が書けなくてつまずいている
- 求核・求電子がいつも混乱する
- SN1/SN2やE1/E2がごちゃごちゃになる
- 有機化学を「理解して」点数を上げたい
このページの使い方
基本は、上から順に読むだけでOKです
時間がない人は、次の「最優先で覚える結論」→「学習ロードマップ」→「最重要記事」の順に進めると効率が良いです。
最優先で覚える結論
有機化学の基礎は、次の5つを軸にすると整理できます。
電子は「濃い→薄い」に流れる
反応は、電子が余っている場所(求核)から、電子が足りない場所(求電子)に流れることで進みます。
矢印が書けない人は、まず「どこが求核?どこが求電子?」を言葉で説明できるようにすると一気に伸びます。
安定なものほどできやすい
反応は基本的に「より安定な状態」に向かいます。
有機化学でいう安定性は、主に次で決まります。
- 共鳴で安定(電子が広がる)
- 誘起効果で安定(電荷が弱まる)
- 立体障害で不安定(混み合う)
酸塩基はpKaで判断できる
酸塩基は暗記よりもpKaの大小の比較が重要です。
「どっちが酸?どっちが塩基?」が判断できると、反応条件の理解が速くなります。
反応は“型”で覚えると一気に楽
有機反応は無限に見えますが、多くは次の型に入ります。
- 置換(SN1/SN2)
- 脱離(E1/E2)
- 付加
- 酸化・還元
立体化学は「図形問題」
R/SやE/Zは慣れれば得点源です。
手順を固定するとミスが激減します。
記事一覧
本記事では、J.McMurry著, Organic Chemistry 最新版を基にカリキュラムを組んでいます。
McMurryの有機化学(英語版)は無料でpdfが公開されています。(本格的に勉強するためには紙の教科書をオススメします。)
https://libros.organica1a.org/organica/McMurry.pdf
第1章 結合と構造
基礎
- 有機化学のための原子構造:軌道・電子配置・価電子を最短で理解する
- 結合論(Valence Bond理論と分子軌道理論):有機化学で必要な最短理解
- 混成軌道(sp/sp2/sp3)を最短で理解する:分子の形とσ/π結合がつながる
- 有機化学の構造式の描き方:線構造式・省略ルール・くさび表記を一気に整理
第2章 極性共有結合
基礎
- 極性共有結合と分子の極性:電気陰性度と双極子の考え方
- 酸と塩基の定義:Brønsted–Lowry と Lewis を反応に使う
- pKaと酸性度:平衡方向を比較で判断する
- 酸性度を決める要因:誘起効果・共鳴・混成・溶媒
第3章 アルカン
基礎
第4章 シクロアルカン
基礎
- シクロヘキサンの配座:いす形・舟形と軸位効果
- シクロアルカンの構造:環状炭化水素の基本
- 環歪みの理解:角度歪み・ねじれ歪み・立体歪み
- シクロヘキサンの配座:いす形・舟形と配座反転
- 置換シクロヘキサン:軸位・赤道位と1,3-ジアキシャル相互作用
第5章 不斉炭素の立体化学
基礎
- キラリティと不斉炭素原子:鏡像異性の基本
- エナンチオマーと光学活性:偏光を回転させる分子
- R/S配置の決め方:CIP順位則による立体配置
- メソ体とは:内部対称性と光学不活性
- ラセミ体と光学分割:エナンチオマーを分離する方法
第6章 有機反応の基礎
基礎
第7章 アルケン:構造と反応性
基礎
発展
第8章 アルケン:反応と合成
基礎
発展
第9章 アルキン
基礎
発展
第10章 有機ハロゲン化物
基礎
発展
第11章 ハロゲン化アルキルの反応
基礎
発展
第12章 構造決定:マススペクトルとIR
基礎
発展
第13章 構造決定:NMR
基礎
発展
第14章 共役化合物とUV-Vis
基礎
発展
第15章 ベンゼンと芳香族性
基礎
発展
第16章 ベンゼンの化学
基礎
発展
第17章 アルコールとフェノール
基礎
発展
第18章 エーテルとエポキシド
基礎
発展
第19章 アルデヒドとケトン
基礎
発展
第20章 カルボン酸とニトリル
基礎
発展
第21章 カルボン酸の派生
基礎
発展
第22章 カルボニルα位の反応
基礎
発展
第23章 縮合反応
基礎
発展
第24章 アミンとヘテロ環
基礎
発展
第25章 生体分子:炭水化物
基礎
発展
第26章 生体分子:アミノ酸・ペプチド・タンパク質
基礎
発展
第27章 生体分子:脂質
基礎
発展
第28章 生体分子:核酸
基礎
発展
第29章 代謝経路の有機化学
基礎
発展
第30章 ペリ環状反応
基礎
発展
第31章 高分子化学
基礎
発展
学習ロードマップ
Step1:結合・混成・極性
ここが曖昧だと、その後の「求核/求電子」が全部ブレます。
最低限、sp/sp2/sp3、電気陰性度、結合の極性は押さえます。
Step2:酸塩基・pKa・脱離基
反応が進む/進まないの多くは、酸塩基と脱離基で決まります。
ここを押さえると、試薬を見たときの反応予測が簡単になります。
Step3:共鳴・誘起効果・立体効果
「安定性」を説明できるようになるステップです
共鳴が分かると、有機化学が暗記から理解に変わります。
Step4:反応の見方(求核/求電子)と機構入門
最後に「矢印で説明する」練習に入ります。
反応を丸暗記する前に、矢印の型を身につけるのが近道です。
よくあるミスと対策
基礎で点を落とす原因はほぼ決まっています。
求核・求電子が逆になる
「電子が余っている=求核」「電子が足りない=求電子」を徹底。
まずは矢印を書かずに、文章で説明する練習が効きます。
pKaを数字暗記だけで使ってしまう
pKaは便利ですが、数字だけ覚えると事故ります。
「共鳴で安定」「電気陰性度」「結合の極性」など、理由とセットで理解すると強いです。
SN1/SN2を条件で判定できない
丸暗記ではなく、
- 基質(何級?)
- 溶媒(プロトン性?)
- 求核剤の強さ
- 立体障害
で判断すると安定します。
R/S・E/Zの手順が毎回変わる
立体は手順固定が最強です。
手順を固定しないと、ミスが減りません。
チェック問題(理解度テスト)
最後に、基礎の到達チェックを用意しておくと学習効率が上がります。
1分チェック(最低ライン)
- 求核剤と求電子剤を3つずつ言える
- 脱離基の良し悪しを説明できる
- pKaが小さいほど酸が強いと言える
10分チェック(試験で戦える)
- 共鳴構造を2つ以上描ける
- SN1とSN2の違いを条件で判断できる
- R/SとE/Zを手順通りに決められる
次に読むべきページ
基礎が一通りできたら、次はこの順が最短です。
官能基まとめ(まずは全体像)
(内部リンク)
反応まとめ(置換・脱離から)
(内部リンク)
スペクトル解析(NMRを最速で)
(内部リンク)
