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バリウムといえば、胃のレントゲン検査ですよね。この元素を好きな人は少ないような気がします。(笑)

基本情報

和名:バリウム

英名:Barium

語源:ギリシャ語「重い(barys)」

元素記号:Ba

原子番号:56

原子量:137.3

常温(25℃)での状態:固体(金属)

色:銀白色

密度:3.594 g/cm3(20℃)

融点:729℃

沸点:1898℃

発見者:デービー(イギリス)[1808年]

含有鉱物:重晶石

名前の由来

発見当時に知られていたアルカリ土類金属の中で、単体の密度が高く重かったことから、ギリシャ語で「重い」を意味する”barys”から命名されました。

主な用途

バリウムの用途は、化合物の性質で選ばれているのが特徴です。

  • 硫酸バリウム(BaSO4)=X線造影剤:いわゆる「バリウム検査」で飲むもの。原子番号が大きくX線をよく吸収するため、消化管の形が影として写る
  • 重晶石(BaSO4鉱石):石油掘削の泥水に混ぜて比重を上げ、噴出を抑える
  • 花火・炎色反応:バリウム塩は黄緑色の炎色を示す
  • チタン酸バリウム(BaTiO3):強誘電体。積層セラミックコンデンサの主材料
なぜ「硫酸」バリウムを飲むのか
バリウムイオン Ba2+ は心筋や神経に作用して有毒です。
しかし硫酸バリウムは水にも胃酸にもほとんど溶けないため、Ba2+ が体内に吸収されません。
→ 「毒性のある元素を、溶けない塩にすることで安全に使う」という設計です。
もし可溶性の塩化バリウムを飲めば中毒を起こします。溶解度のわずかな違いが安全性を分ける、わかりやすい例です。

生成方法

原料は重晶石(BaSO4)です。炭素とともに加熱して硫化バリウムに変え、そこから目的の化合物へ変換します。

BaSO4 + 4C  →  BaS + 4CO     (炭素還元)
BaS → 各種バリウム化合物へ

金属バリウム単体は、酸化バリウムをアルミニウムで還元して作ります(単体の用途は限られ、
真空管のゲッター=残留ガスを吸着させる材料などに使われました)。

化合物

化合物 特徴と用途
硫酸バリウム BaSO4 水に不溶。X線造影剤・白色顔料。Pd/BaSO4 は活性を抑えた水素化触媒の担体として、酸クロリドからアルデヒドを得る還元に使われる
水酸化バリウム Ba(OH)2 強塩基(バリタ水)。CO2の検出、エステルの加水分解にも使える
炭酸バリウム BaCO3 ガラス・陶磁器の原料。殺鼠剤にも使われた(可溶性のため有毒)
チタン酸バリウム BaTiO3 強誘電体。コンデンサ・圧電素子

代表的な特徴

バリウムは第2族のアルカリ土類金属で、同族のカルシウムやストロンチウムより反応性が高い元素です。

  • 水と反応する:常温で水と反応して水酸化バリウムと水素を生じる
  • 空気中で酸化される:表面がすぐ酸化されるため、単体は石油中などで保存する
  • 電気陰性度が小さい(0.89)=電子を手放しやすく、化合物はイオン性が強い
Ba + 2H2O  →  Ba(OH)2 + H2

水酸化バリウムの水溶液(バリタ水)は強塩基で、二酸化炭素を通すと炭酸バリウムの白い沈殿ができます。
これはCO2の検出に使われる反応です。

 

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