今回は「法令の構成と目的」および「危険物取扱者制度の概要」について学びます。法令分野の基礎となる非常に重要なテーマです。
消防法の目的
甲種危険物取扱者試験の法令問題は主に消防法に基づいて出題されます。
消防法の目的は以下の通りです:
「火災の予防及び警戒、火災時の消火活動の体制整備、並びに災害に対する警戒・避難活動などを規定し、国民の生命・身体・財産を守ること」
すなわち、危険物による火災の発生や拡大を未然に防ぎ、災害時の対応体制を確保するための法的根拠です。
法令の構成
試験に出題される法令は、以下の3つの階層で構成されます。
- 法律:「消防法」本体
- 政令:「危険物の規制に関する政令」など(内閣が制定)
- 省令:「危険物の規制に関する技術上の基準を定める省令」など(総務省消防庁が制定)
この3層構造を理解することで、出題意図が明確になり、学習効率が向上します。
関係法令
試験では、以下の法令も範囲に含まれます。
- 火災予防条例(各自治体で異なる)
- 労働安全衛生法(関連性あり)
- 毒劇物取締法や高圧ガス保安法など(参考として)
危険物取扱者制度
消防法では、危険物を一定量以上取り扱うには資格が必要と規定されています。以下にその制度をまとめます。
種類と取り扱い範囲
区分 | 取扱範囲 |
---|---|
甲種 | 第1類〜第6類すべての危険物(管理・監督含む) |
乙種 | 特定の類の危険物を選択して取扱可能 |
丙種 | ガソリン・灯油・軽油等(第4類一部)の取扱可 |
免状の交付
- 試験合格後、申請により各都道府県知事が交付
- 顔写真付きの国家資格証(生涯有効)
- 再交付・書換制度あり
まとめ
法令分野は丸暗記ではなく、まず体系的な全体像を把握することが合格への近道です。
今回は消防法の目的や、法令の3階層構造、危険物取扱者制度の基本について解説しました。
🧭 次回予告
次回【第2回】では、「取扱所・貯蔵所・製造所の定義と分類」「市町村長と都道府県知事の権限」など、設置・監督制度の基本を扱います。