MOM基はエーテル系の保護基で、ヒドロキシ基に対して用いられます。
MOM基の特徴
MOM基は、塩基性条件や還元条件に強い。エーテル系の中でも、MOM基は比較的強い保護基であり、酸化条件にも耐えることができる。
脱保護は、一般的に酸加水分解条件でおこなわれる。
MOM保護
反応機構
アルコールに対して塩基を作用させ、アルコキシドとする。アルコキシドがMOMClを攻撃することにより、MOM保護される。
条件例
MOMCl, NaH, THF
収率80%
A. F. Kluge, et al., J. Am. Chem. Soc., 1972, 94, 7827.
M. Ihara et al., J. Am. Chem. Soc., 1988, 110, 1963.
MOMCl, DIPEA
最も一般的な条件。MOMClは、発がん性のある物質である。また、副生成物として得られるジクロロエーテルはさらに毒性が強いことが知られている。この副生成物を生成しない方法も報告されている。
MOMBr, DIPEA, CH2Cl2
MOMCl, NaI, DIPEA, DME
MOMCl, TBAI, Bu2SnO, benzene
CH2(OMe)2, Nafion H
CH2(OMe)2, TfOH, CH2Cl2
CH2(OMe)2, CH2=CHCH2SiMe3, Me3SiOTf, P2O5
CH2(OEt)2, montmorillonite clay
(MeO)3CH or TMOF, CSA, CH2Cl2 then DIBAH
MOM脱保護
反応機構
アセタールの酸加水分解。プロトンによって活性化されたアルコール由来の酸素原子に対して、もう一方の酸素原子の非共有電子対が押し込むことにより脱保護される。
このとき生じた中間体は、求核性を有する溶媒などにより攻撃されて消費する。