STUDY

【理系学生必見】実験レポート(報告書)の書き方

「レポートは決まり事が多くて難しい」

大学に入って、いきなりレポートを書かなければいけない。

でも書き方が全く分からないという人も多いのではないでしょうか。

今回はレポートの書き方を一通りまとめました。

ただし、ここで紹介するのはあくまで一例です。

レポートと言っても、分野ごとに書き方が異なります。

今回紹介するのは、化学工学の分野におけるレポートの書き方です。

項目

A. 表紙
B. 要旨
C. 目次

1. 緒言
2. 理論
3. 実験装置
4. 実験方法
5. 実験結果及び考察
6. 結論
7. 推薦
8. 記号
9. 参考文献

各項目の詳細

A~C

これらは、レポートの前置きのようなものです。

そのレポートが何について説明しているものなのかを示します。

表紙

実験タイトル、実験実施日、氏名など、基本的な情報を記載します。

一見、テキトーでもよさそうに感じるかもしれませんが、どれも重要な内容です。

要旨

実験方法や結論の概要を5~10行で記載します。

実験内容を知らない初見の人が読んでも、理解できるように書きましょう。

目次

1~9の項目のページ数を記載する。

どこに何が書いてあるのかを示すことで、読者が読みやすくなります。

1~9

これらがレポートの本文です。

緒言

レポートの概略を解説します。

実験の目的などを記載しましょう。

理論

実験で用いられる理論を紹介します。

方程式などもすべて記載するようにしましょう。

実験装置

図を用いて実験装置について説明します。

言葉で詳細な説明を加え、実験装置の概略が確実に伝わるようにしましょう。。

実験方法

操作方法を記載します。

ここでは、よくフローチャートが使われます。

実験結果

実験で得られた結果を記載します。

表やグラフはここに載せましょう。表やグラフの描き方はレポートに載せる表・図(グラフ)の描き方にて紹介していますので、こちらをご覧ください。表やグラフにはそれぞれに、「表(図)1.1には~~を示す。」と、必ず一言添えましょう。

以下に、実験結果のまとめ方を示します。

  1. データの整理:
    • 実験で取得したすべてのデータを整理します。必要に応じて、表や図などの形式でデータをまとめます。
    • データは、実験で使用した手法や装置に応じて適切な形式で整理します。たとえば、測定値、観察結果、グラフ、画像などが含まれます。
  2. 正確な記述:
    • 取得したデータを正確に記述します。数値や観察結果が間違っていると、結果の解釈が誤解される可能性があります。
    • 数値データは、適切な単位と桁数で報告します。計算された値や統計的な解析結果も、正確な数字で示します。
  3. 図表の作成:
    • データを視覚的に示すために、適切な図表を作成します。これには、グラフ、チャート、表、写真などが含まれます。
    • 図表は見やすく、正確である必要があります。軸のラベル、凡例、タイトルなどを適切に付けて、読者が理解しやすくします。
  4. 結果の解釈:
    • 取得したデータや観察結果を解釈します。結果が目的や仮説と一致しているか、どのような意味を持つかを考察します。
    • データの傾向やパターン、異常値や外れ値などを分析し、実験結果の意味を深く理解します。
  5. 重要な観察や気付き:
    • 実験中に特に注目すべき観察や気付きがあれば、それを明記します。これにより、読者が結果をより深く理解しやすくなります。
    • また、予期せぬ結果や問題点も記述し、それらが結果に与える影響を考察します。
  6. 結果の要約:
    • 最後に、結果の要約を行います。重要な結果や発見、異常値や外れ値、議論する価値のある点を強調し、読者に印象付けます。
    • 読者が実験の目的や重要な結論を理解できるように、結果を簡潔にまとめます。

以上の手順に従って、実験結果を詳細に書くことができます。結果の正確性と明確さが重要なので、十分な時間をかけて丁寧に書くようにしましょう。

結果はあくまでも結果の事実のみを記す項目であり、自分の考えを書いてはいけません。

考察

前項の実験結果を踏まえ、考察を行います。

考察は、考えを示す項目であるので、間違っていても構いません。

特に、学生実験のレポートであれば、積極的にたくさんの考察をした方がよいでしょう。

実験の考察は、実験結果を解釈し、その意義や理由を明確にするための重要な部分です。以下に、実験の考察を行う際の手順とポイントを示します。

  1. データの解釈:
    • 実験結果を詳細に検討し、観察されたデータや得られた数値の意味を理解します。
    • データが示す傾向やパターン、異常値や外れ値などを特定し、それらが実験の結果に与える影響を考えます。
  2. 結果の予想と比較:
    • 実験の目的や仮説と実際の結果を比較します。予想された結果との一致や不一致について考察し、その理由を探ります。
    • もし結果が予想と一致しない場合、その原因や要因を特定し、考察します。
  3. 誤差と不確かさの評価:
    • 実験における誤差や不確かさを考慮し、結果の信頼性や正確性について評価します。測定器の精度や実験手法の制約などを考慮します。
    • また、誤差の影響を最小限に抑えるための改善点や工夫も考察します。
  4. 結果の意味付け:
    • 得られた結果の意味や重要性について考察します。それが何を意味するのか、実験の目的や背景とどのように関連するのかを明確にします。
    • 結果がどのように新たな知見や洞察をもたらすか、他の研究や理論とどのように関連するかを考えます。
  5. 未解決の問題や改善の提案:
    • 実験中に発見された未解決の問題や不明点について考察します。それらの問題の原因や解決策を探り、今後の研究方向や実験の改善点を提案します。
    • 実験手法や条件の改善、追加実験の必要性、データのより詳細な解析などが考慮されます。
  6. 結論への導き:
    • 最後に、考察をまとめて結論に導きます。結果と考察を通じて得られた洞察や知見、提案された改善点などを強調し、実験の重要性や意義を再確認します。

以上の手順に従って、実験の考察を行うことで、実験結果の深層を理解し、有益な洞察を得ることができます。

結論

「実験結果」の項目で示された諸結果を要約して箇条書きします。

特に、目的が達成されたかは明確に記さなければいけません。

この項目についても、実験結果と同じく、事実のみしか書いてはいけません。

推薦

実験方法や装置の改善点を記します。

これは、工学系独特の項目です。

文字

レポート内で使った文字について、アルファベット順で説明します。

内容や単位を箇条書きで記載しましょう。

参考文献

レポート内で参考あるいは引用した文献を記載します。

もしここに書かれていない文献を参照していた場合、剽窃などの不正に該当してしまう可能性があります。

絶対に漏れなく、正しい記載方法で書かなければいけません。


最後に

これを見るだけで疲れたという人もいるかもしれません。

たしかに、レポートにはルールが多いです。

しかし、それは地球上のすべてのレポートを統一化し、読みやすくするためです。

さらっと言ってしまいましたが、レポートのルールは読みやすくするためのものです。

これに関しては、たくさん書いて慣れるしかありません。

自分に負けず、頑張ってレポートを作成してください。