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危険物施設の種類・設置・監督制度を解説|甲種危険物取扱者試験 法令編【第2回】

今回は、危険物施設に関する法令について学びます。「施設の分類・設置時のルール・監督者の義務」は、試験で頻出かつ理解が重要なテーマです。

危険物施設の3分類

消防法では、危険物施設は以下の3種類に大別されます:

  • 製造所: 危険物を化学的に製造・加工する施設(例:化学工場)
  • 貯蔵所: 危険物を安全に保管するための施設(例:タンク庫、地下貯蔵所)
  • 取扱所: 危険物を取り扱うための施設(例:給油所、実験室、取出口)

これらの施設は、取り扱う危険物の種類・数量に応じて許可や届出が義務付けられます

指定数量と施設の種別

消防法では、各危険物ごとに「指定数量」が定められており、これを基準として以下のように分類されます。

施設区分 基準
一般取扱所等 指定数量以上を扱う施設(許可が必要)
少量取扱所等 指定数量の1/5以上未満(届出が必要)
簡易取扱所 主に小売・移動販売向け(届出が必要)

施設の設置・変更・廃止の手続き

指定数量以上を取り扱う施設(製造所・取扱所・貯蔵所)では、市町村長の許可が必要です。

  • 設置許可: 設置には設計図・構造・設備の安全性が審査される
  • 変更許可: 所在地や構造・用途の変更には再許可が必要
  • 廃止届: 廃止時には市町村長への届出が必要

監督・指導権限

市町村長都道府県知事</strongは、危険物施設に対して以下のような権限を持ちます。

  • 立入検査権: 定期的または必要に応じて施設へ立入調査を実施
  • 使用停止命令: 法令違反・危険発生の恐れがある場合に発令
  • 改善命令: 設備不備などに対して、是正措置を命令できる

保安監督者とその義務

施設では、保安監督者(危険物取扱者)を選任する義務があります。
保安監督者の主な役割は以下の通りです。

  • 設備・運用の保安確保
  • 点検・整備の計画実施
  • 従業員への危険物教育と指導

まとめ

危険物施設に関する法令は、「種類の違い」「設置に必要な手続き」「行政機関の権限」などを整理して覚えることが重要です。
設問では語句の定義・手続きの必要性・監督者の責任などが問われやすいため、しっかり復習しましょう。

🧭 次回予告

次回【第3回】では、「指定数量の具体値」「危険物の類と性質」について、数値と分類に強くなるための解説を行います。