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クマリン官能基の構造・芳香族性・合成・蛍光性・医薬応用まで徹底解説

クマリン(coumarin)は、ベンゼン環とα-ピロン(α-ラクトン)が縮合した構造を持つ芳香族化合物であり、自然界にも広く存在する生理活性物質の1つです。
独特の甘い香りや蛍光性、生体活性を有しており、医薬品、香料、染料、蛍光プローブ、太陽電池など多様な分野で利用されています。

クマリンの構造と芳香族性

基本構造

ベンゼン環 – α-ピロン(2H-クロメン-2-オン)

芳香族性

クマリンの合成法

① Pechmann縮合

フェノール + β-ケト酸(またはβ-ケトエステル) + 酸触媒 → クマリン誘導体

② Perkin反応

芳香族アルデヒド + 酢酸無水物 + 塩基(NaOAc) → クマリン誘導体

③ Knoevenagel縮合 + 環化

サリチルアルデヒド + 活性メチレン化合物(例:マロン酸ジエステル) → クマリン骨格

④ 現代的手法

クマリンの化学的性質と反応

主な反応性

芳香環の置換可能部位

クマリンの蛍光性と光物性

吸収・発光特性

蛍光への影響因子

用途

医薬・天然物・香料への応用

① 医薬品

② 天然物

③ 香料

クマリン誘導体の設計例

安全性と規制

まとめ:クマリンは芳香・蛍光・薬理性を備えた多機能骨格

次回は「イソシアネート(–N=C=O)」をテーマに、求核付加反応、ウレタン形成、ポリウレタン材料、医薬・バイオ応用などを解説していきます。

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