Gloriosa superbaの根からN-deacetyl-N-formylcornigerine (1) と同定された新しいコルチノイド化合物がglorigerineと命名され、2種の既知化合物とともに単離された。
文献情報
Bharat Goel; Harichander Reddy; Anjali Cholkar; Santosh Kumar Guru; Shreyans K. Jain, Natural product research, 2022, 1-6. DOI: 10.1080/14786419.2022.2158464
単離
2022年にGloriosa superbaの根から単離された。Gloriosa superbaはコルキノイドを豊富に含み、コルヒチンの商業生産に利用されてきた。Gloriosa superbaの根は伝統的に痛風やリウマチ性疾患、皮膚病の治療に使用されてきた。
glorigerineは淡黄色の粉末として5 mg単離された。
生物活性
ヒトがん細胞株A549(肺上皮がん), HAD-MB-231(乳腺がん), T-47D(乳がん), MCF-7(乳がん)に対して中程度の細胞毒性活性
構造決定
1H NMR, 13C NMR, COSY, HSQC, HMBC, NOESY, HRESI-MS
構造決定の詳細
- HRMSにより、分子式がC20H20NO6と同定
- 一次元NMRにより、コルチノイド構造が確認(特にグロリオシンと類似)
- 1H NMRより、芳香族プロトンが4つ、脂肪族プロトンが4つ、メトキシ基が2つ、メチレンプロトンが4つ存在
- 芳香族プロトンのうち、2つはオルト関係(他2つはシングレット)
- 13C NMRより、メチレン炭素が3つ、CH/CH3基が3つ、オレフィン炭素が4つ、四級炭素が8つ、アルデヒド炭素が1つ、ケトン炭素が1つ存在
- トロポロン環に特徴的なピークが存在
- コルチノイドのよく知られた生合成経路に基づき、C7位の立体はSであると仮定
構造的特徴
トリメトキシフェニル環,シクロヘプタン環,トロポロン環を有する。これはコルチノイドの特徴である。