ワインレブアミド化は、ワインレブケトン合成に用いるワインレブアミドを合成する手法である。エステルおよびカルボン酸塩化物と有機リチウムおよび有機マグネシウム化合物との反応は、中間体のケトンが依然として有機金属試薬に対して高い反応性を示すため、高収率でケトンを得ることはできない。しかし、対応するWeinrebアミドに誘導体化した後、有機金属化合物と反応させると、最初の付加体が安定化し、それ以上反応しないため、目的のケトンを得ることができる。
概要
- ワインレブアミドにおいてはヒドリドやグリニャール試薬などが求核付加して生じるN-メトキシヘミアミナールが、2つの酸素原子が金属アルコキシドの金属に配位したキレート構造を作ることにより安定化される
- 安定化されたN-メトキシヘミアミナールからはアミノ基の脱離・放出が起こりにくく、系内ではアルデヒドやケトンに変わりにくいため 2当量目の求核剤の付加反応が抑えられる
歴史
1977年にスティーヴン・ワインレブらによって報告された。
反応機構
実験手順
窒素雰囲気下、0℃にてアミン塩酸塩にトリメチルアルミニウムをゆっくり滴加し、室温に昇温する。1時間後、気体の発生がないことを確認し、エステルを加える。TLCにて原料の消失を確認した後、水とロッシェル塩を加えて反応を停止させる。
実験のコツ
活性種を調製する際、メタンが発生して塩が溶解する。
応用例
参考文献
1) Levin, Jeremy I., Turos, Edward, Weinreb, Steven M, Synthetic Communications, 1982, 12, 13, 989–993.
関連書籍
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