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【有機反応】ペリ環状反応【Diels-Alder反応】

ペリ環状反応

有機反応は大きく3種類に分けられる。

有機化学を学ぶ者であれば、これらの反応は理解しておかなければいけない。

そこで、今回はペリ環状反応について説明する。

ペリ環状反応とは?

ペリ環状反応とは、環状の遷移構造を経由し、中間体を形成することなく、結合の形成と切断がすべて協奏的に進むものである。

協奏的とは、複数の構成要素が連携し合っていること。ここでは、反応が同時に起こっていることを示している。

ペリ環状反応の代表例として、Diels-Alder反応やエン反応がある。

この反応においては、電子の流れに絶対的な意味はない。

そのため、反応機構を表す際の巻き矢印も比較的自由に描くことができる。

ペリ環状反応の種類

ペリ環状反応は、以下の4種類に分類される。

これらの反応には、それぞれ特有の性質がある。

環化付加反応

環化付加反応とは、2つの反応成分が接近し、それぞれの反応成分の両端で2つの新たなσ結合ができて、環が形成される反応である。

π結合に使われていた電子がσ結合に用いられるため、共役系の長さが短くなる。

環化付加反応は、ペリ環状反応の中で最も例が多く、有用なものである。

環化付加反応

電子環状反応

環化付加反応では、2つの反応成分が登場した。

それに対し、電子環状反応では、必ず一分子で反応が起こる。

鎖状の共役系から、それぞれの端同士の間に1つのσ結合が形成される。

それにともない、共役系は両端のp軌道の分だけ短くなり、環が形成される。

電子環状反応(開環)
電子環状反応(閉環)

シグマトロピー転位

シグマトロピー転位では、σ結合の位置が次々と移動する。

一分子の中で、あるσ結合が他の位置に動き、共役系が新たな結合を形成する。

すると、新たに生まれた空隙を埋めるように、σ結合が移動する。

この反応は、見分けることが難しいものである。

グループ移動反応(エン反応)

グループ移動反応は、ペリ環状反応の中で最も例が少ない。

先述したエン反応は、ここに分類される。

この反応では、1つのπ結合が1つのσ結合に置き換わる。

この点ではシグマトロピー転位と似ているが、グループ移動反応では2つの反応成分が登場する。

また、環形成も起こらないので、グループ移動反応は今まで紹介した3種類には分類されない。

ペリ環状反応を学ぶための参考書