サイトアイコン 化学に関する情報を発信

【元素図鑑】フレロビウム Fl

フレロビウムは、超アクチノイド元素で、原子番号114の元素です。

元素図鑑

フレロビウムの基本情報

和名 フレロビウム
英名 Flerovium
語源 ロシアの原子核物理学者フリョロフ (Flerov)
元素記号 Fl
原子番号 114
原子量 (289)
常温(25℃)での状態
臭い
密度
融点
沸点
発見者 オガネシアン 他(ロシア, アメリカ)[1999年]
含有鉱物

フレロビウムの主な特徴

フレロビウムの歴史

発見

フレロビウムは1998年、ロシアのドゥブナにある合同原子核研究所(JINR)と、アメリカ・カリフォルニア州のローレンス・リバモア国立研究所(LLNL)の共同研究チームによって初めて合成されました。

反応は以下のように行われました:

244Cm + 48Ca → 292Fl + 0n

合成された同位体は極めて短命で、数ミリ秒〜数秒程度でアルファ崩壊します。

名前の由来

「フレロビウム(Flerovium)」の名称は、ロシアの物理学者ゲオルギー・フレロフ(Georgy Flyorov)にちなんでいます。

フレロフは重元素研究の先駆者であり、合同原子核研究所の創設者でもありました。

2012年、IUPACにより正式に名称が承認され、暫定名「ウンウンクアジウム(Ununquadium)」から現在の名称に変更されました。

フレロビウムの主な用途

フレロビウムは極めて短寿命で、現在のところ実用的な用途はありません。
主に基礎研究、特に以下のような目的で使用されます:

フレロビウムの生成方法

フレロビウムは、重イオン核融合反応によって人工的に合成されます。
代表的な反応は以下の通りです:

244Pu + 48Ca → 292Fl + 0n

この反応では、48Caという比較的軽くて中性子数の多い安定な核を用いることで、超重核を形成しやすくします。
合成されたフレロビウムはすぐにアルファ崩壊し、コペルニシウム(Cn)やリバモリウム(Lv)などの元素へと変化します。

フレロビウムを含む化合物

フレロビウムの化学的性質や化合物に関する研究は非常に限られていますが、以下の点が理論的に予測されています:

しかし、実際にフレロビウム化合物が単離・観測された例は現在のところありません。

フレロビウムに関わる研究事例

フレロビウムは極めてまれな超重元素であり、以下のような研究が行われています:

参考図書

第1位

元素に関する問題がレベル別に多く掲載されており、一般的な知識からニッチな知識まで幅広く学べます。また、最後には全元素のデータが載っており、わからないことがあればすぐに調べることができます。

これを読めば、元素マスターに一歩も二歩も近づけます!

 

第2位

この本の一番の魅力は、とても美しい画像とともに学べるということです。

「こんなに美しい元素があったんだ、、!」という新しい発見がたくさんあると思います。

理系に限らず、文系にもおすすめの一冊です。

ランキング3位

実は鉱石好きだった宮沢賢治。

教科書にも作品を残す彼の科学者としての一面に注目した一冊です。