ダームスタチウム (Darmstadtium, Ds) は、原子番号110の合成元素で、周期表のdブロックに属する遷移金属です。ダームスタチウムは非常に不安定で、自然界には存在せず、人工的に合成されたものです。その性質や用途については限られた情報しかありませんが、以下にダームスタチウムの主な特徴や歴史について説明します。
基本情報
和名 | ダームスタチウム |
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英名 | Darmstadtium |
語源 | ドイツのダルムシュタット市 (Darmstadt) |
元素記号 | Ds |
原子番号 | 110 |
原子量 | (281) |
常温(25℃)での状態 | – |
色 | – |
密度 | – |
融点 | – |
沸点 | – |
発見者 | ホフマン 他(ドイツ)[1994年] |
含有鉱物 | – |
歴史
発見
ダームスタチウムは1994年11月9日に、ドイツのダルムシュタットにあるGSIヘルムホルツ重イオン研究センターで合成されました。発見チームは、Peter Armbruster と Sigurd Hofmann が率いる研究グループで、ニッケル-62(Ni-62)イオンを鉛-208(Pb-208)ターゲットに衝突させることによって、最初のダームスタチウム原子を生成しました。
名前の由来
ドイツのダルムシュタット市にあるヘルムホルツ重イオン研究センター(GSI Helmholtz Centre for Heavy Ion Research)で発見されたことに由来
主な用途
ダームスタチウムは非常に不安定で、短寿命のため、現在のところ実用的な用途はありません。主に科学研究、特に超重元素の合成と性質の研究に使用されます。これらの研究は、原子核の構造や安定性、そして元素の周期表に関する理論を深めるために重要です。
生成方法
ダームスタチウムは重イオン衝突によって合成されます。具体的には、以下のような核融合反応で生成されます:
82208Pb+2862Ni→110269Ds+01n{}^{208}_{82}\text{Pb} + {}^{62}_{28}\text{Ni} \rightarrow {}^{269}_{110}\text{Ds} + {}^{1}_{0}\text{n}
この反応では、鉛-208(Pb-208)ターゲットにニッケル-62(Ni-62)イオンを加速して衝突させることで、ダームスタチウム-269(Ds-269)が生成されます。
化合物
更新をお待ちください。
主な特徴
物理的性質
ダームスタチウムの物理的性質についてはほとんど分かっていません。非常に重く、密度が高いと予想されますが、詳しい測定データはありません。
化学的性質
ダームスタチウムは周期表の10族に属し、ニッケル、パラジウム、白金と同族です。したがって、これらの元素と類似の化学的性質を持つと予測されていますが、詳細な化学的性質についての研究は進んでいません。
放射性
ダームスタチウムは非常に不安定な放射性元素であり、合成後すぐに崩壊します。既知の同位体の半減期は非常に短く、ミリ秒から数秒の範囲です。たとえば、最も安定な同位体であるDs-281の半減期は約10秒です。
研究事例
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