メンデレビウムは、アクチノイド元素で、原子番号101の元素です。
メンデレビウムの基本情報
和名 | メンデレビウム |
---|---|
英名 | Mendelevium |
語源 | 周期表をつくったメンデレーエフ (Mendelejev) |
元素記号 | Md |
原子番号 | 101 |
原子量 | (258) |
常温(25℃)での状態 | ー |
色 | ー |
臭い | ー |
密度 | ー |
融点 | ー |
沸点 | ー |
発見者 | ギオルソ 他(アメリカ)[1955年] |
含有鉱物 | ー |
メンデレビウムの主な特徴
- 原子番号101の人工元素で、周期表のアクチニド系に属す
- 自然界には存在せず、人工的に合成された超ウラン元素
- 高度に放射性であり、試料はごくわずかな原子単位でしか得られない
- 化学的には+3価の酸化状態が最も安定しており、アクチニド元素として典型的な性質を示す
メンデレビウムの歴史
発見
メンデレビウムは1955年、アメリカ合衆国カリフォルニア大学バークレー校の研究チームによって初めて合成されました。
研究チームにはアルバート・ギオルソ(Albert Ghiorso)、グレン・T・シーボーグ(Glenn T. Seaborg)らが参加していました。
初めての合成は以下の反応によるものでした。
253Es + 4He → 256Md + n
この実験では、アインスタイニウム-253(Es-253)にアルファ粒子(ヘリウムイオン)を照射して生成されました。
名前の由来
「メンデレビウム(Mendelevium)」の名称は、周期表の創始者であるドミトリ・メンデレーエフ(Dmitri Mendeleev)にちなんで命名されました。
メンデレビウムの主な用途
メンデレビウムは極めて短寿命かつ極微量しか得られないため、実用的な用途はありません。
主に以下のような基礎科学研究で使用されます。
- アクチニド元素化学の研究: イオン半径、酸化状態、化学的性質の比較
- 核物理学研究: 崩壊特性や核構造解析
- 超重元素合成: さらなる原子番号の高い元素合成のための標的核として利用
メンデレビウムの生成方法
メンデレビウムは、アインスタイニウム(Es)やバークリウム(Bk)などの重いアクチニド核にアルファ粒子や軽いイオンを照射して合成されます。
代表的な反応は以下の通りです。
253Es + 4He → 256Md + n
生成される同位体の半減期は数時間程度のものもありますが、多くは数分以下と短寿命です。
メンデレビウムを含む化合物
メンデレビウムは+3価の酸化状態が安定しており、他のアクチニド元素と類似した化学的性質を持ちます。
研究されている化合物には以下のようなものがあります。
- MdCl₃(塩化メンデレビウム): アクチニド塩化物系列として確認
- Md₂O₃(酸化メンデレビウム): 酸化物化合物として推定される
ごく微量しか得られないため、単離や詳細な構造解析は困難です。
メンデレビウムに関わる研究事例
メンデレビウムは核物理学および放射化学の重要な研究対象です。代表的な研究例は以下の通りです。
- アクチニド元素系列の化学的性質の解析: 溶媒抽出やイオン交換による分離特性の研究
- 核崩壊特性の測定: α崩壊・β崩壊のエネルギーや半減期データの取得
- 新しい超重元素合成: さらに重い元素(Z=113以上)を生成するための標的材料として利用
参考図書
元素に関する問題がレベル別に多く掲載されており、一般的な知識からニッチな知識まで幅広く学べます。また、最後には全元素のデータが載っており、わからないことがあればすぐに調べることができます。
これを読めば、元素マスターに一歩も二歩も近づけます!
この本の一番の魅力は、とても美しい画像とともに学べるということです。
「こんなに美しい元素があったんだ、、!」という新しい発見がたくさんあると思います。
理系に限らず、文系にもおすすめの一冊です。
実は鉱石好きだった宮沢賢治。
教科書にも作品を残す彼の科学者としての一面に注目した一冊です。