近年、急速な発展を遂げる人工知能。
今では、我々の生活の身近にも存在するものとなりました。
そんな人工知能ですが、実は20世紀後半にはすでに登場していました。
- 人工知能はどういうものなのか
- なぜ、最近になって話題になっているのか
今回は、こういったことをテーマに話していきたいと思います。
人工知能(AI)とは?
“artificial intelligence”
人工知能とは、どのようなものなのでしょうか。
考えることができる機械
人工知能とは、「人間のような情報処理をコンピュータで再現すること」です。
コンピュータは、基本的に計算しかできません。
それに対し、人間は、様々な思考によって情報を処理することができます。
ですから、コンピュータに人間のような情報処理をさせることは不可能だというのが、昔の一般的な考えでした。
しかし、最近では当たり前のように人工知能と触れ合い、その恩恵を受けられるようになっています。
人工知能の認識は時代とともに変化する
人工知能の定義は、曖昧です。
やっていることは、人工知能であってもなくても、「計算」です。
後述しますが、その計算方法を変えることで、人間のような情報処理を可能にします。
だから、その線引き次第で何が人工知能であるかは決まります。
一番身近なところで考えると、文字変換機能も人工知能のひとつと言うことができます。
しかし、現代では、それを人工知能だと認識している人は少ないです。
簡単に言うと、人工知能のレベルはどんどん上がっているのです。
知能を明文化する
具体的に手順を書き出す
人間は問題に出会ったとき、どのように思考して、答えを導き出しているのでしょうか。
このようなときに、人間はたくさんの手順を踏んでいます。
この手順のことをアルゴリズムと言います。
意外とそのことに気付いていないかもしれません。
それは、それらの手順を超高速あるいは同時に進めているからです。
アルゴリズムの例を紹介します。
我々がアルゴリズムとして習ったものとして「ユークリッドの互除法」が挙げられます。
ユークリッドの互除法は、以下のようなアルゴリズムで成り立っています。
- 2つの数のうち、大きい方を割られる数、小さい方を割る数として、割り算を行う。
- 割り算の余りを求める。
- 余りが0ならば、割る数を答えとして出力する。そうでなければ、3.に進む。
- 「割る数」を「割られる数」、「余り」を「割る数」とする。
- 2.に戻る。
このように、手順をひとつひとつ具体的になっていることが重要です。
アルゴリズムを実行する
アルゴリズムを作るだけでは、ほぼ意味がありません。
それを実行することで、初めて人工知能としての能力が発揮されます。
では、どのようにして、アルゴリズムを実行しているのでしょうか。
計算としての論理的思考
1か0の世界
コンピュータができることは計算と言いましたが、正確に言えば、真か偽かを判断することだけです。
それ以下でもそれ以上でもありません。
真であれば1、偽であれば0を出力します。
どれだけ複雑な問題でも、1か0の判断を組み合わせることで答えを出します。
電気回路で思考を実現
1か0かだけで複雑な思考を実現するための方法を紹介します。
まず、この図を見てください。
この回路で、電球が点くのはどんなときでしょうか。考えてみてください。
正解は、「スイッチAとスイッチBがどちらとも”ON”になっているとき」です。
もう気が付きましたか?
ここで、スイッチはコンピュータが出力した1か0を表しています。
1なら”ON”、0なら”OFF”です。
そして、電球のところで答えが出力されます。
すなわち、上の図の回路では、AかつBが成り立ったときのみ、答えが出力されます。
このように、スイッチなどを組み合わせることによって、複雑な思考も可能にさせます。
人工知能を進化させたディープラーニング(深層学習)
20世紀後半から登場していた人工知能が、なぜ最近ブームとなっているのでしょうか。
実は、ブームの影には立役者がいたのです。
それが、ディープラーニングです。
これは、初心者向けの記事なので詳しい説明は避けますが、要は「ネコの画像を見分けられるようになった」ということです。
20世紀では、ネコの画像をたくさん学習させても、新たな画像を判別させることはできませんでした。
判別のためには、それを定義する式を作らなければいけません。
ネコの画像を定義する式は、簡単に作れるわけがありません。
それが、2010年代になって、できるようになりました。
これが、人工知能ブームのきっかけです。
人工知能の実用例
身近な例
- 掃除ロボット(ルンバなど)
- ボードゲームの解析
- 自動車の自動運転
- 検索エンジン最適化(SEO)
発展的な例
- 顔認証システム
- 医療の診断
- タクシーの需要予測
最後に
人工知能は、我々の生活の質を格段に向上させました。
これからも、人工知能の進化は続きます。
人間が、人間をはるかに超越した人工知能をどのように活用できるかが、将来のテーマかもしれません。